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『お前が悲しむように、霊にだって家族がいたんだ
確かに早く成仏させないといけないかもしれないな。けどな、時音。これだけは覚えておけ
どんな相手でも、その相手には家族がいるんだ。それを簡単に早く成仏しろとか言うわけにはいかないんだ…成仏の仕方がわからない霊は沢山いる…
そんな奴らに成仏しろなんて難しいだろ?』
…これ以上言ったら泣き出しそうだし、説教じみてきたからここで終わらせておこう
俺は『言い方ひとつだけ変えりゃいいんだよ』とポンッと時音の頭を撫でる
『お前も、自分なりになんで成仏できないのか考えろよ』
俺はそれだけ言うと、『あと、あそこには近づくなよ。絶対だ』と霊に伝えて良守と時音を連れて家に帰った
『…じいちゃん、俺のお茶菓子食った?』
「いや、知らんが」
『利守は?』
「良兄が食べてるの見たよ」
『アイツかよ…』
晩飯を食べ終えた後、仕事の時間まで寛ぐためにお茶菓子を出してお茶でも飲もうかと思っていると、ピキーンと脳内に信号のようなものが走った
なんか出たな…侵入じゃなく、敷地内で魔性に変化したって感じだな…
…まさか、あのパティシエの霊じゃないよな?
時音に言われたことですごくショックを受けてたし…
俺は急いで仕事着に着替えた後、天穴を引ったくって家を飛び出した
この世に絶望して自暴自棄になったとしたら、一刻も早く止めて烏森から追い出さないといけなくなる
最悪は…滅するしかなくなる
良守とともに学校内に入ると、「ヤッホー!!」と、掲示板の上でくねくねしているあのパティシエの霊がいた
ズッザアアアアア
『すげぇヘッドスライディングだな』
「な、な…」
「あれ、キミ…面白い格好しとるね」
「何やってんだ、あんた!?」
「ヨガ?」
「ここに来るなとあれほど…」
「そら、ダメ言われたら来たくなるのが人情よ」
『な訳ないだろ』
いちゃだめだし、何より来ちゃダメだって言っただろこのバカ霊が…
「大丈夫やって。あかん思たらすぐ出てくし
試してみんとわからんやろ、何事も
でな、ボクなりに考えてみたんやけど…いや〜化け物ライフもこれでなかなか悪ないで
ちょっとコツ掴めば、ファーッて飛べるしね」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月18日 11時