もう1人の正統継承者【男主】 (ページ13)

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2話ケーキページ13

ー数日後ー

「良守！良守ィイーーー!!」

『朝から元気だな、じいちゃん』

朝の鍛錬を終えて私服に着替えて学校に行く準備をする
俺の仕事は烏森の教員だから特段服装にはこだわりもないし、動きやすい服装だ

朝飯も終えてさっさと行くために肩掛けのショルダーを引っ掴むと、「兄ちゃん、待ってよ」と慌ててくる良守を待つ

「行ってきまーす」

『行ってきまーす』

「あぁ、なんてさわやかな朝…爽やかすぎて死にそう」

『朝から学校行くこと自体が褒められたもんだぜ…』

「だよな」

良守の横を歩いていると、前方から時音が出てきた

「あ」

「あ」

「お、おう」

「………」

『…………』

お前らは何故にアイコンタクトを取るような仲になったのか？
俺にはもはやわからないその伝え合いにじっと見つめていること数秒、「相変わらずつまんなそうな顔してるわねー」という時音の棘のある言葉によって良守は、「人の顔見てため息ついた！」と言う

すたすたと歩いていく時音に良守もすたすたとついていく
親鳥についていくコガモかなにかか？

「ついてくんな、ガキ！」

「しょーがねーだろ、同じ学校なんだから」

「中等部と高等部は違うもんなの！
校舎だって入口だって」

「違わないね！敷地同じだし」

「わかったから、明るいうちは学校で話しかけないでよ」

「今話しかけてるのはお前だがそれはいいのか？」

そんなやりとりが癪に触ったのか、時音は「あーもう！朝っぱらからからんでんじゃないよ！」と言うではないか
お前が何も言わなければなかった会話だぞ、八つ当たりだ、理不尽だー

「なに!? なんなの？昨日負けたの根に持ってんの？」

「いや、俺は別に」

「なによ」

『…！』

「う…うるさえな…俺はただ学校行きたいだけだって…」

『……横槍いれるけど、別にいいだろ…話すぐらい
そうやってギクシャクしてると、敵が攻めてきていざと言うときに連携とれねえぞ…？
あと、時音も必要以上に吹っかけるな。高校生だろ？』

「…はーい」

「兄ちゃん、学校の先生みたいだな」

『学校の先生だが？』

良守、お前は俺の自己紹介を聞いていたか？
お前の授業を受け持つと決まっているんだぞ？