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ところ変わって数学の時間









『…………おい、こいつは授業中は絶対寝てるのか?』

「割と」

『よーしーもーりー』

「フガ!」









教科書をそのまま良守の頭に振り下ろすと、『お前…』と俺は呆れた声を出しながら我が弟の座る席の前に立つ









『俺の授業は必ず夢なのか?
それとも、数学から現実逃避してるのか?俺の授業は子守唄じゃねえぞ
ったく…せめて、ノートと教科書出しとか』

「はーい…」









机の上に枕を広げて眠りこくってる場合じゃないだろ
いくらエスカレーター式でも、勉強しておけバカタレ









『…良守、これなんだよ』

「あ、美術で作った」

『…お前こう言うの得意だもんな…。集中力もあるのは大変いいが、俺の授業も集中してくれ
これ授業中に作ったんだろ。ったく…お前、放課後職員室だ。特別課題出してやるからな』

「えっ!? 待ってくれよ!俺にも生活プランというものが…これ以上睡眠時間を削り勉強したところで、果たして強くなれるものか…!?」

『知らねえよ』









良守のこの勉強嫌いというか、なんというか…どうにかなんねぇのか?
勉強会とかしても意味ないんだろうけどよ、だとしてもこれは…どうかと思うぞ…








中等部の数学が終われば、次は高等部の数学だ









『ん、いいぞ。途中まで合ってるな
計算ミスだ、もっかい落ち着いてやってみろ』

「は、はい」

『んじゃ、これ…わかる奴…』

「はい」

『んじゃ、雪村』









手を挙げた時音を見ずに当てて、黒板に出された数式を解いてもらうと満点回答だった









『ん、正解だ。いいぞ』

「はい」

(時音は相変わらず勉強できるな…その才能を良守にもわけてやってくれ)









こうして数学の時間が終わり、時音の教室を後にする
早めに立ち去りたいのはいつものことで、女子生徒に絡まれるのを避けるためだ





油断してると、もう何人もの人間に囲まれるからだ
俺、そこまで女の子得意じゃないし相手してるのめんどくさいからやめてほしい









「兄ちゃん!」

『おいこら、学校では先生と呼べ』

「先生、あのさ!」

『ん?』

「ケーキのお城って建てれるか!?」

『…………………………………は?』

「ケーキのお城だよ!」

『………』









我が弟よ、数学の質問じゃないのか…
つーか、どうやって建てるんだよ

2-3→←2話 ケーキ



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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年6月18日 11時

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