もう1人の正統継承者【男主】 (ページ11)

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「じゃあ、今日から…」

『お前らの先生だ』

「でもよ、兄ちゃんが学校で勤務することなくね？
昼間は俺たちもいるし夜だけ来てもいいじゃん」

『俺もそう思った…けどよ………じいちゃんが勤め果たせってうるせぇんだよ…めんどくせぇけどな、やるしかねぇよ…めんどくせぇけど』

2人(2回言った)

『昔みたいにお前らのことを守ってやれるかどうかはわかんねェし、お前らがどれだけ強くなったかは俺は知らねェ
けどまぁ…何かあればいつでも助けてやる…気が乗ってたら』

「オイ」

良守と時音の頭を撫でた後『いつでもいい、俺を呼べよ』とだけ言い残してそこから立ち去る

「相変わらず、あんたのお兄さんよくわかんないわね」

「そうか？わかりやすいじゃん」

中等部の職員室に入り、自分のデスクに座って受け持つ担当クラスの名簿を受け取りそのまま名前を読み込んでいく
中等部じゃ、まさかの良守のクラスを受け持つことになった

内容は数学

高等部は時音のクラスでまたも数学
そんなに俺に計算をさせたいのかこの学校は

適当に目を通した後、適当に校内を見て回る
俺が卒業してだいぶ経つというのに、何も変わらないこの学校に時間というものは存在するのか？

いや、簡単に変わられても困りモンだが…

「あっ、墨村先生！」

(…ゲッ)

どう見ても高等部の女子生徒数人が駆け寄ってきたのに対し、俺は顔を歪めてどうしたもんかと悩んだ
俺は女の子が苦手だ。時音は小さい頃から見ているし、妹みたいな感じがするけど、赤の他人の女の子はもはや別次元だ

『あー…なに？』

「あの、墨村先生の受け持ちのクラスの生徒なんですけど…」

「数学の問題で少しお聞きしたくて…」

『あー…授業の後とかじゃダメ？』

「今お聞きしたいんです！」

(くそめんどくせ〜…)

どう見たってお近づきになりたいですという顔つきの女子生徒数人に俺は頭の後ろに手を置き『悪い、俺はまだお前らの数学の範囲聞いてねえんだわ』とやんわりと断った

『帰りて〜………』

高等部の校内を見て回ったり、中等部の校内を見て回ったり、特に変わりもなく夜の仕事にも問題はなさそうだ

俺は欠伸ひとつしたあと、そのまま職員室へ向かった