元殺し屋はヒーローになる19 (ページ7)

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転送されたメールを開くと、「至急確認」という題名で送られていた
これはどうやら、烏間さんからの連絡らしい

タップしてみると「日本政府が奴の暗殺を目論んでいる」という衝撃的な事実が書かれていた

『………また邪魔をするか…あのクソども』

パキッと画面が割れた

電話を切り、クローゼットの奥に吊るしてある別の黒いダボっとしたパーカーに着替えて帽子を被る
もちろん、髪の毛は中に入れる

「ん…」

『！』

寝返りを打ったアッシュは、またスヤスヤと眠る
コトンとサイドテーブルによく眠れるとカエデちゃんがくれた匂い袋を置いておく

ここはゴルツィネも知らない場所だから、誰かが押し入ってくることもない
なんて言ったって、セキュリティもバッチリなセーフティーだからね

『少し出てくるね』

眠っているアッシュの頭をくしゃりと優しく撫でた後、帽子を深く被り直し、マスクをして外に出る

《こんにちは、キャット》

『……………どういう了見で言っているのか、わかっているのか？』

《ああ、もちろんだとも》

『…調べの結果でもう爆発しない可能性が1%以下だということが証明されたにもかかわらず、か？
ふざけたことを言っている暇があるのなら、平和の象徴なき今をどうするか考えたらどうなの？』

綺麗な高級ホテルに日本の政治家がいるわけでもなく、地下に整えられた地下迷宮を歩き、通信機器が置かれている場所で日本政府の人間と会話をする

《たとえそれが「1％以下」だったとしても、爆発する可能性がないわけではない》

《わかってくれるだろう？キャット》

『………腐ったみかんのバーゲンセールでもしてるの？
バカも休み休み言ってよ。月の爆破が終わり、地球の滅亡も29人の殺し屋たちによって暗殺成功された…ただそれのどこが』

《暗殺したにもかかわらず、なぜこの地球に存在する》

『！』

《我々は何か重大なことを見落としている気がするのだよ…
キャット、頼まれてくれるかな？》

『………一体、なにを』

《超生物の暗殺だ》

『!?』

ギュッと握る拳が強くなった