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「俺たちがどれだけ反対したって全部聞かないんだもん。青子ちゃんは、頑固なんだよね〜
アッシュのことも、エリちゃんのことも、全部全部決めたことをやり通すって言ってさ…
結局最後は自分で全部どうにかするんだもん。ホント、ヒーローだよね」
青子が人の話を聞かないのはわかってた
どれだけ俺が反対しても意味がなかった。ただそれ以上に青子は全ての可能性を考えていたからだ
「青子ちゃんは、アッシュのことが大好きだから、大好きだから助けたいって思っちゃうんだよ…
だからね、アッシュ…いつになるかわかない…だけどこれだけは覚えておいて
青子ちゃんは必ずキミを今の場所から必ず救い出してくれる。必ずだ。青子ちゃんは、決めたら必ずやり遂げる子だから
たとえどんなことがあっても、青子ちゃんを信じて待ってあげてほしい
これから、どんなことがあろうと…青子ちゃんが死ぬことになろうと…」
「…………………」
そんなの、もうとっくにわかってる
青子が俺を助けようとしていることも、信じてほしいと思っていることも…
「尚哉!! アッシュ！青子の手術が終わった!!!」
「！」
「ホント!?」
「あぁ！意識が戻るのはまだ無理だが、とりあえずもう大丈夫だ！」
あぁ、よかった…
目の前がぼやけて、俺は大粒の涙が瞳からこぼれ落ちていくのを感じる
ブランカがディノに伝えてくれたおかげで、俺はしばらく青子のそばにいることができた
ディノも青子のことを気に入っていたのか、「好きにしろ」とまで言ってくる始末だ
「青子、起きてくれ…俺まだ、誕生日伝えてないんだぜ？」
ピッピッという無機質な機械音が病室の中に鳴り響く
冷たくなった手を温めるように俺は青子の手を握る
いかないでくれ、どこにも…
笑ってくれ、声を聞かせてくれ
「起きてくれ青子…」
俺の心の奥底からの願いは、翌日に叶うことになった
だが、それは俺にとって絶望の始まりでもあった
『……あんた、誰？』
神様は、俺から全てを奪っていく
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作者名：サッカーバカ
| 作成日時：2021年5月29日 0時
