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5-7 ページ48

ドッ、という重い音が河原に響き渡った









「はあ!?」









大きく威力のあるボールは、転校生の元は一直線へ飛んでいく



あんなの受けたらひとたまりもないだろう









『ふんっ!』

「あ」









トンッ、と静かに綺麗なレシーブが入った
まさかそんなに綺麗にレシーブを返すとは思わなかった俺たちは、あんぐりと口を開けたままいた









「姉ちゃん、やっぱりバレーした方がいいぞ…
俺のサーブあげるの、先輩たちぐらいだ」

『えー、そうかな』

「姉ちゃんなら、クラブチーム入っても活躍できると思う」

『私は見てる方が好きだなー』

「そういうの、才能の持ち腐れっていうんだぞ」









大きく弧を描きながらもボールは地面に落ちることなくずっと続いていく
お互いに行き交うボールを返していく姿はとても綺麗で呆気にとられてしまった









「ひゃー、すげぇな」

「深谷さん、あんなにバレーうまかったなんて」

「体育の時もそうだったけど、運動できんだなー」









シン、英二、ショーターの声を聞きながら俺はずっと見た
転校生と一緒にバレーをしてる奴が気になったが









「おーーーーーーーーーーい!!」

「!」

『あ』

「ロードワーク遅ぇと思ったらなに油売ったんだゴラ!!」

「すんません!! 姉ちゃん、またな」

『うん、練習頑張ってね』









ザッザッと坂を登っていく男を見送った転校生は、ボールを持ってこちらに歩いてくると、俺たちに気付き小走りできた









「澪緒、バレーうまいなー」

『あははは…練習とかよく手伝ってたから』

「へぇ」









バレーボールを小脇に抱え、また荷物を置いている場所に俺たちが座って話を始める
転校生もたまに会話に入ってはの繰り返しで、俺は特に何もすることなく昼寝をする









「おーい、アッシュー」

「ん?」

「澪緒がそろそろ帰るんだとよ。俺たちも帰るぞ」

「あ、あぁ…」









荷物を持ち、シンと話している転校生をチラリと一瞥した後、ぱっぱっと服についた葉っぱをはたき落とす









『じゃ、私こっちだから。また学校でね』

「おー」

「またねー」

「またなー」









手を振って見送れば、転校生は少し小走りで駆け出していった

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時

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