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『なっつんとトッキーはもう買い物終わったの?』
「おう、まぁな」
「澪緒ちゃんは何してたの?」
『お兄ちゃんのサポーターと修学旅行でいるタオルとか』
「「修学旅行?」」
『お兄ちゃんが喚いてたはずだけど…』
「あぁ…」
「繋琉、泣き叫んでたな」
「キャプテンとは思えなかったな」
『お兄ちゃんキャプテンなの!?』
「監督からの名指しと満場一致でな」
知らなかった…お兄ちゃん、そんなこと全然教えてくれないし
「澪緒ちゃんが良ければ、俺たちの買い物付き合ってくれる?」
「女の子受けしそうなのも知っときたいしな」
『2人とも、彼女いないの?』
「そりゃーねー…欲しいよ!!」
『お…』
くわっ、と顔を顰めたトッキーは「俺だってね、可愛い女の子彼女にしたいよ!」とわっと泣き出した
「気にしなくていいよ。最近フラれたから」
『あぁ…』
「言わなくていいよ、夏柿!」
コソッと教えてくれたトッキーの事情が聞こえたのか、トッキーは「馬鹿やろー!」と叫んだ
周りの目があるから荷物を持って、スポーツ用品店へそそくさと移動する
『でも、なんで振られたの?』
「「私とサッカー、どっちがいいのよ!」って言われたらしいよ」
「インターハイ近いから練習多いに決まってんじゃん!! デートできないし一緒に帰れないからって別れるってなんだよ!!?」
「夏のインターハイ終わったら次は冬の国立だからねぇ」
「3年になったんだから忙しいに決まってんだろー!!」
お店の中にも関わらず叫びまくり泣きまくるトッキーに、「情緒不安定だな、落ち着けよ」となっつんが言った
「澪緒ちゃんはインターハイ見に行くの?」
『うん。紡宮のインハイと春高予選と春高が被ってなかったら行くよ』
「もう春高行けるって思ってるのか」
「確かに、紡宮くんの学校、弱くないしね〜」
「春高かぁ…俺たちは冬の国立だよなー」
スポーツ用品店でサポーターを吟味し始めた2人を横目に、買ったお兄ちゃんのサポーターを思い出す
デザイン関係なく買っちゃったけど、いいのかな
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時