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「澪緒、部屋割り決まったのか?」

『うん。葵ちゃんと一緒だよ』

「葵?」

「いい奴だよな」

「うん。柊さんは友達思いでいい人だよ」









数回喋ったことがあるけど、善人という言葉が最も合う人だと思った









「…ふぅん」

「?」









ほんの少し含みのあるような言い方のアッシュくんに私たちは首を傾げる









ー放課後ー








「修学旅行の買い出し行くか〜」

「別にあるのでもいいだろ」

「バァカ!向こうで可愛い女の子と出会う可能性だってあるだろ!!」

「ショーター…」

「澪緒は買い物行かないのか?」

『んー…一度確認してからの方がいいかなって』

「あー、たしかに。しおりにはタオルとかだしな」









パラパラとしおりをめくって必要なものが書いてある
ものを確認してから買いに行くのもいいと思った
それに…アッシュくんがいまだに私と普通に話すことがなくて気まずいだけでもある









「んじゃ、今週の休みにでも行くか。澪緒も行こうぜ」

『えっ…あ、ほら男の子同士の方が買い物とかスムーズに進むと思うし…それにほら、女の子って必要なものあるし』

「やけに拒否るな…」

「何か用事でもあるの?」

『いや、ないんだけど…』









アッシュくんと話すこともままならない現状、今まで一緒にいた人たちの中に知らない人間が入ってこられるのも彼にとっては不快だと思うし



私が彼の立場だったらきっとそう思ってる。絶対思ってる









「ま、行く気になったら言えよ」

『うん』









優しいショーターに頷き、来月に控える修学旅行をどう過ごすか悩む日々が始まることに頭を抱えた









『でね、お土産何がいい?』

「気が早いんじゃねぇか?」

『早い方がいいの。あとからアレも欲しかったって言われる方がよっぽどいや』

「…んじゃ、八橋とか?」

『定番のは買ってくるよ…ご当地とか限定品とか』

「んなの、調べてみねぇとわかんねぇ」

『ですよね…』

「俺はっ!澪緒が選んできたのなら、なんでもいいよっ!!」

『剣ちゃんにも聞いておいてね』

「なんで!?」

『お兄ちゃんがお世話になってるし、いつもお兄ちゃんの自主練に付き合ってくれてるもん』

「ぐっ……」

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時

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