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6時間目の数学も、やっぱりアッシュくんは寝ていた
ショーターは頭を悩ませて数字と睨めっこし始めているみたいで、「うーーん」と唸っていたりする
奥村くんは、少し手が止まったり考えたりしている
私はというと…
(人並みにはできるけど、発展でつまづくんだよね…)
簡単な計算や応用はできるけど、少し捻られた発展の問題は難しくて手が止まってしまう
どれだけ解いても数字が合わなかったりするから、発展問題は苦手な部類に入ってしまう
そうこうしていれば、授業が終わるチャイムが鳴り、みんなが「やっと終わったー」「頭いたーい」と言いながらだらけ始めた
数学の先生は質問に来た生徒と少し話しながら解き方を教えたりしている
私は家帰ってからお兄ちゃんに聞けばいいか…
「なぁ、澪緒…応用の解き方わかるか?」
『どれ?』
「これ、問5」
『これはね』
シャーペンでカリカリと解き方を教えていけば「なるほど!」と閃いたショーターが最後の計算で答えを出した
確認すれば、ショーターの出した答えは合っていた
「おーーし、終わり!発展はやらねぇ!」
「またテスト前に泣くのはショーターだよ?」
「いーんだよ!発展、何言ってるかわかんねぇんだから」
「確かに…ちょっと難しいよね」
「おい、アッシュ、終わったぞ」
「アーッシュ」
ショーターと奥村くんがアッシュくんの体を揺すると「うるせぇなぁ…」と小さく唸りながらあくびをするアッシュくん
「もう帰れるよ」
「ったく、結局ほとんど寝てたじゃねぇか」
「別にいいだろ。座って授業聞くだけ無駄さ」
「腹立つ…」
ぐにーーっとアッシュくんのほっぺたをつねった奥村くんにやり返すように頬をつねるアッシュくん
結局2人とも最後は笑っている
『仲良いんだね』
「まぁな。俺でも妬いちまうぐらい仲良しだぜ」
『へぇ』
唯一無二の親友ができたって感じでいいなぁ
私にもそんな人現れるといいなぁ
「おーい、ホームルームするから席につけー」
マックス先生の声でガタガタとみんなが席についていく
やっと帰れる
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時