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朝早くの廊下はほとんど人気もなく、誰かがいる気配なんて全くない
「お、早いな深谷」
『おはよう、ショーター。ショーターも早いね』
「まぁな」
窓際の席につき、隣をチラリと見るとスクールバックが置かれていた
『ショーター、隣の人もう来てるの?』
「ん?あぁ、アッシュか?英二の棒高跳び見に行ってるよ」
『奥村くんの?』
「あぁ。…なあ、深谷」
『?』
「今更だけど、呼び方変えていいか?
なんか苗字呼びって性に合わなくってよ」
『あははは、いいよ。下の名前で』
「澪緒、だったよな?」
『うん』
んじゃ、よろしく。と、ショーターが手を差し出してきたので、ゆっくりと手を重ねる
「澪緒はアッシュに会うのが初めてだよな?」
『うん』
「まあ、初対面にはきついかもしんねぇけどいい奴だからそんな身構えなくてもいいぜ」
『だといいけどなあ』
時間も経てば、人もまばらになって教室に入ってくる
一気に賑やかになっていく教室に、奥村くんもやってくる
「おはよう、ショーター、深谷さん」
「おはよう、英二」
『おはよう、奥村くん』
「あれ、アッシュは?」
「それがね…マックス先生に捕まって」
「あぁ……」
こりゃバックレるかもな〜。と言ったショーター
バックレるんだ…そんなことするのか、アッシュという人は
ブブッとスマホが揺れたので、スマホの画面を見れば「見て見て、澪緒〜」とお兄ちゃんが写真付きのラインを送ってきた
お兄ちゃん「写真を送信しました」
お兄ちゃん俺のかっこいいとこ!
澪緒すごい!
かっこよく決めた写真らしく、真剣にサッカーをしているお兄ちゃんの写真をすぐに保存した
家族の写真はどれだけ撮っても宝物になる
「あ、アッシュからだ」
「なんて?」
「“マックスに怒鳴られたから行かない”…って」
「おいおい…」
「全く…怒鳴らないとわからないのかな」
「英二、ほどほどにな」
結局、アッシュという人は来ないらしい
会ってみたかったんだけどなぁ…
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2021年3月23日 22時