悪鬼滅殺に命を懸けた1人の剣士 弐

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「伏黒!! 釘崎連れて領域(ココ)から逃げろ!! 神瞑も!!」

『！』

「3人が領域(ココ)を出るまで、俺が特級(コイツ)を食い止める
出たらなんでもいいから合図してくれ、そしたら俺は宿儺に代わる」

『で、きるわけないでしょ…？』

「特級相手に片腕で!!」

「よく見ろって」









カタカタと震える手を叱咤し、力を振り絞って刀を握る
負けるな、弱音を吐くな、逃げるな、戦うんだ









「楽しんでる
完全にナメてんだよ、俺たちのこと
時間稼ぎくらいなんとかなる」

「駄目だ…!!」

「伏黒!!! 頼む」

『…………伏黒くん、行って』

「は？」

『釘崎さんが危険だし、特級は柱3人分の力を持ってるとしたら…今ここで1番相手にできるのは、私しかいない』









冷や汗が頬を伝っていく
煉獄さん、あなたは一人で上弦の参を追い払ったんですよね



宇髄さん、あなたは炭治郎たちと共に上弦の陸を倒した









私は…みんなに助けられて、十二鬼月と戦わなかった、戦えなかった、戦うことを許されなかった









ただ、ただ…私は、恥ずかしい




何もしなかった









腕を失っただけで、生きてしまった









『鬼殺隊 階級 水柱が覇道院神瞑
ここにいる3人の命は…私が守る!!!』









力をお貸しください、お館様…義勇さん









必ず、この特級の首を取れるように
どうか、お力をお貸しください









『ふぅ……』

「神瞑、いけるか？」









伏黒くんが苦い顔をして釘崎さんを探しに行ってくれたのを見届けた後、私は一度目を閉じて息を吐いた









ここにいる虎杖くんは呼吸も使えない、一般人だ
一般隊士であれば呼吸を使って戦って欲しいけど、相手は上弦の鬼と同じ力を持つ…



私が勝てるかどうか









ﾋﾞﾘｯ









「動きやすくなりましたってか」

『ふんどしって…』









とにかく、時間を稼がないと…
伏黒くんが釘崎さんを見つけて逃げ出してくれるまで









ｳﾞﾝ









ﾊﾞｺﾞﾝｯ









『カッ………ハッ』

「神瞑!!!」









な、に…今の…弾き飛ばされた…？









全身が、痛い…っ

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