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「な、何してんねん!」
『何って、靴下脱いでテントに戻るんだよ。このままじゃ意味ないし』
「そ、そうかもしれんけど………俺が連れていくから」
『別にいいよ』
「怪我したらあかんから!」
各自で退場する借り物競走
僕は北におぶられて自分のテントに向かう
「炎上もんだな」
『僕は歩けるって言ったんだ。でも北がダメだって言うから』
「女の子が素足で歩いたらあかんやろ。怪我する」
(こいつら、側から見たらカップルなんだよな)
「おい、裕紀、これ付き合ってんのか?」
「まだ」
「ぐあああああ!もどかしっ!」
「俺も思うよ」
ビニールシートの上におろしてもらい、靴下を履いていると、1、2年が北との記念写真を撮りたいと群がってきた
北はそれにある程度答えている
「あ、あの…時川、さん」
『?』
「しゃ、写真いいです、か?」
『………僕と兄さん、どっち?』
「あ、恋雪さんです!」
『ふーん。兄さん、カメラお願い』
「おう」
相手の体操服の学年カラーを見て、一つ下の2年生だと言うことがわかり、2人並んで写真を撮る
ピースをして写真を撮ると、「ありがとうございました!」と頭を下げて歩いていく2年生
「…今のなんや?」
『写真撮りたいって』
「……俺も撮りたい」
『え?』
「俺も、時川と写真、撮りたい」
途切れ途切れにそう言った北に『別にいいけど』と言うと、パァッと顔色が明るくなる
そんなに写真好きなの?
「裕紀、ええか?」
「うん、いいよ」
僕と並んで写真を撮る北は、とても穏やかな笑顔でそれを見てるだけでなんだか不思議と胸がポカポカとする
(あ…)
カシャッ
「ありがとうな」
「お、おう」
『北、それ僕にも送って』
「え、けど俺連絡先持ってへんで」
『なら交換すればいいよ』
ほら、とスマホを取り出せば北は「おう」と嬉しそうに笑って僕と連絡先を交換した
すぐに写真を送ってくれて、撮った写真を保存する
うん、いい写真だ
(恋雪、無自覚かな…今まで笑った中で1番優しくて楽しそうな笑顔だった)
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時