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10-3 ページ45

兄さんを馬鹿にした縁に対して刀を引き抜こうとした僕を「いい、気にしてない」と兄さんが片手で制してきた


仕方なく僕は刀を鞘に戻し、縁を睨みつけた









「今回で本当に決まる」

『そうだね。僕もキミとするのは飽き飽きだよ』

「50勝50敗…最後だな」

『そうだね』









鼻で笑った縁はスタスタと歩いていき、灰陽等さんもその後を追いかけていく









「ふへーー…」

「なんや、あの男」

「名前は縁吉道。灰陽等道場の跡取りみたいな感じだよ」

「後継者言うんはなんなん?」

『墨火羅家の後継者争いだよ
この道場を誰が継ぐかってことで、墨火羅からは僕、灰陽等からはさっきの縁が選ばれてる』

「これにどちらかが勝てばその道場を継ぐことになるんだよ」









庭先に戻りながら説明すると、「よぉ!」とガタイのいい人が現れた









嶋中(しまなか)さん』

「え、なんで?」

「今回最後の後継者争い戦い決定戦見にきたんだよ」

『暇なの?』

「地味に暇だ」

『大人ってわからないね』









嶋中はこの道場の門下生でよく僕たちも手合わせをしてもらっていたんだよね
まあ、僕たちの方が才能はあったからコテンパンにしてあげた記憶はある









「そういえば、嶋中道場は大丈夫ですか?」

「おうよ!妹たちもなんとかやってるよ」

『ねえ、見にくる道場の人って何人来るの?』

「俺を含めて8人は来るぜ」

『みんな暇なんだね』

「8人?」









北が少し首を傾げた時、「道場の師範代だよ」と兄さんがわかりやすく教えた









「この京都には10名家があるんだ
その10名家が
墨火羅
灰陽等
嶋中
日比紙(ひびがみ)
木佐次(きさつぎ)
赤谷(あかはや)
巌詩魔魏(いわしまぎ)
神名紫都(かみなしと)
那和棚(なわての)
五志比螺華(ごしひらげ)の10個の名家がこの墨火羅家の後継者争いを見届ける義務があるんだよ」

「へえー」

「ぶっちゃけ、不正行為がないかの見張りもあるけどな」









嶋中さんの後ろから「うむ!」と言う声が響き渡る
相変わらず鼓膜が痛くなる









「よぉ、日比紙」

「久しいな、嶋中」

「紹介するよ、10名家の中の1人、日比紙だ」

「日比紙薬師(やくし)だ、よろしく頼む」

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時

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