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10話 後継者 ページ43

夏休みだ
今、僕がいるのは体育館









「レフト!!」

「ワンチ!」









兄さんに誘われてバレー部の練習を見に行く
2階席から見るバレー部の練習はこれで確か2回目になるんだと思う









「いいよなー、背が高いって」

『兄さん小さもんね』

「うるさい」









ふふふと笑っていると、ゴインッとボールが柵のところにぶつかり、大きな音を立てる









「コラァ、信介ぇ!! 何してんねん!」

「す、すんません…」

「珍しいな。レシーブうまい北が飛ばすなんて」

「北さんどないしたんですか?」

「………………急なんは反則や」

「?」









はぁぁあと、大きなため息を吐いてしゃがみ込んだ北を見た後、僕はスマホが震えたのに気づいた
着信音は「師範」のものだった









『はい、僕です』

《恋雪、すまないが今度の土曜日、道場に来てくれないかい?
もちろん、裕紀も一緒に》

『わかりました…けど、何かあったんですか?』

《……そろそろ、後継者を決めないといけない時期だからね》

『あ』









今は8月手前の時期
そろそろ決めなくてはいけない「墨火羅後継者」









『わかりました』

《すまないね》









ぷつりと切れた電話をしまっていると、「誰から?」と兄さんが聞いてきて『師範が今度の土曜日に来いって』と伝えると「あぁ、後継者争いの」と呆れている声を出して視線をバレー部に戻した









『兄さん知ってたの?』

「そりゃあ、毎年あんだけ口酸っぱく言ってる上層部の奴らの話聞いてたら嫌でも覚えるよ」

『何があるの?』

「…墨火羅の家系が二つあるのは知ってるか?」

『灰陽等でしょ?』

「そう。その灰陽等の人間が選んだ優れた逸材と墨火羅が育てた逸材とを対決させてどっちが墨火羅を継ぐかっていう戦い
灰陽等の人間が選んだのは「縁 吉道」
で師範が選んだのはお前だ」

『僕?』









どうして僕が後継者になるんだろう?
首を傾げていると「お前はお前が思ってる以上に剣の素質があるんだよ」と兄さんは言った









「墨火羅も灰陽等もどちらも由緒正しき家だ
だけど、どちらの権力が上かと聞かれれば迷わず上層部の奴らは墨火羅を指す
だから、墨火羅を継げば権力は壮大だろうな」

『だから狙うの?』

「そーいうこと」

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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2020年12月12日 20時

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