元殺し屋はヒーローになる14 (ページ21)

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「くそっ！本命が防がれた!!」

頂上から単眼鏡でそれを確認した障子が叫び、“予想通り”にされたことに眉を寄せてナインを見る

「敵、麗日たちに接近！」

麗日ちゃんたちが危ない
けど、振り返った活真たちの心配そうな顔にどうするのが最善かを頭の中でめぐらせた

3人を助けるように、八百万ちゃんと青山が助けに入るも簡単に吹っ飛ばされてしまう

「遊びは終わりだ」

凪いだ海のように静かな表情をしたナインの両手から激しいスパークが放出した

それで攻撃されたらひとたまりもない

今の麗日ちゃんたちには、動けるわけがない

「うううおおおおおおおお！オラァァあァァァアアアア!!!」

爆豪かっちゃんが私を投げ飛ばし、麗日ちゃんとナインの間に鉄の壁を分解して修復して作り上げる
爆豪かっちゃんはナインに爆発で攻撃するも、相手は空気の壁で弾いてきた

「生きてたか……」

「寝言は」

『寝て死ね』

えぐれた地面の先で爆豪かっちゃんと共に啖呵をきる

(ここでやらなきゃ…ここを抜かれたら…)

あそこには緑谷がいる
けど、気配的にこっちにくるつもりだ

こっち3人で死守しないと、抜かれた場合が1番やばい

「喰らえ！」

爆豪かっちゃんが空中からナインに向かい炎弾を繰り出し続けているところへ、駆けてきた緑谷が入れ替わるように飛び込み蹴りを放つ

「セントルイススマッシュ!!」

緑谷の蹴りは空気の壁に防がれてしまった
ナインに動じる様子は微塵もないし、緑谷もそれは想定済みのように力を込める

いい、全力でなくていい

“個性”を使わせることだけを考えればいい

衝撃波に襲われて吹き飛ばされてしまった緑谷の手を爆豪かっちゃんが掴んだ
と、思ったら自ら爆破で高速回転して緑谷を勢いよくナインに向かって投げ出す

「爆破式(エクス)カタパルトォォ!!」

振り回されながら爆豪かっちゃんの意図に気づいた緑谷は、加速をつけ再びナインへ矢のような強力な蹴りを食らわす

もちろん、空気の壁で防ごうとするナインは予想以上の威力に大きく弾かれた