元殺し屋はヒーローになる14 (ページ20)

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ナインめがけて雨あられと降り注ぐ無数の岩
土煙があがり、ナインの姿がかき消される

『2人とも、逃げろ!!』

土煙から爪弾が発射され、見えたのは空気の壁で攻撃を防いでいたナインの姿
瀬呂はすぐさまテープを使った攻撃を繰り出すが、新しい空気の壁で防がれ、続く衝撃はとその眩しい光に攻撃をまともにうけて麗日ちゃんもろとも吹き飛ばされた瀬呂

『くそっ！』

飛び出したい気持ちを抑え込むように唇を噛み、赤い液体が流れるのをお構いなしに無線を潰すほど握り締めた

なんとかナインの攻撃から逃れた2人の先には峰田がいる
包帯を頭に巻き、ずらりと並んだ大きな木の柵の前に立っている

その柵で堰き止められているのはたくさんの巨大な岩
木の柵は峰田の“個性”のもぎもぎで接合されている

「準備できてるぜ！」

「麗日頼む！」

吐き気を堪えるようにたどり着いた麗日ちゃんは、柵へと手をかけた
同時にたくさんの大岩の重力がかかっている柵に触れている麗日ちゃんの手が光る

「プルスッ、……ウルトラアァァアアアア!!!」

根性で無重力化させた柵を空へと投げ飛ばし、瀬呂のテープが気絶しかけている麗日ちゃんを回収すると同時に、大岩の雪崩がナインに向かっている

ナインが爪弾で攻撃するが、取りに大量の岩の雪崩に飲み込まれた

間髪入れずに瀬呂が走ってきた峰田をテープでその上空へと投げ飛ばす

「スーパーグレープラーッシュ!!」

空中で頭の包帯を投げ捨てた峰田が、流血もお構いなしでナインがいるであろう場所目がけてもぎもぎを絶え間なく投げこむ

大岩同士がもぎもぎでくっつき続け、やがてそれは一つの岩山のようになる

「これが本命だ!!」

「よっしゃー！」

「ざまーみろ……閉じ時込めてやった………ぜ!? うわああ！」

岩山の上へと着地した峰田がフラフラしながらそう言った時、岩山の中から突然光が漏れてくる
咄嗟に瀬呂が峰田を回収しと途端、光と衝撃波と共に岩山が爆発したように吹っ飛んだ

突風に3人が吹き飛ばされる