排球部の王様の恋 (ページ45)

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ギャーーーと前原が坂城に首を締められていると、「まあまあ」と磯貝が間に割って入った

「“いつも通り”、頼むからな」

『…残虐性なら渚が上』

「僕!?」

『…………………………けど、久しぶりだから動けるかわかんない』

「え!? 頼むからな!? お前軸の作戦で行くんだから!!」

何をするんだ？

「んじゃ、より綿密にするために各自部屋での作戦立てと…あとは、荷物持ってきて裏山集合!!」

「「おーー」」

「なあ」

「？」

「なんか、あるのか？」

「…えーと」

「渚～。早くしないと、作戦会議始まっちゃうよー」

「あ、うん！えっと、簡単に言えば…うーんと、えーと…」

「…言いにくい、か？」

「あ、ううん！説明がしにくいってことで…
とにかく、僕等の成長を1番に見せれる1番のやり方をするっていう感じで…うん！

僕等の成長を見せるもの、って感じかな」

「…………？」

『なーーーぎーーーさーーッ！』

「はいぃ!!」

『さっさとしな！あんたが軸じゃないって言ってないでしょ!!』

「う、うん…」

『…………………………………』

「？」

『………』

潮田を呼びにきた坂城は俺と目があったあと、すぐにそらした

「感じ悪いぞ～」

「坂城そーいうの1番サイテー」

「チビー」

『おいこら』

からかわれた坂城はガスッと背中を殴ると『そーいうのうざい』と一言言って、階段を登って行った

「透留ってさ、頑張れとか応援するのって苦手なんだけど…ああやって目を合わせて何か言いたげな顔をするのは…いい傾向だよ」

「……」

「影山君」

「？」

「透留、素直じゃないけど人よりも「人」を見てるから…きっと、言い合える仲になれるよ」

そう言って階段を登っていった潮田を無言で見送り、俺は音駒との合同練習へと向かった

昼ご飯、合宿所に戻ると「あっちー」とドタバタと入ってくる奴がいた

「坂城の奴、容赦ねー」

「つーか、何あのアクロバット…烏間さんでもできねーぞ」

「まさか…一本松使ってくるとは思わねー…」

「坂城ー。お前、どんだけ仕上げてきたんだよ」

『別に、何もしてないけど…』

「アレ、ぶっつけ本番かよ…腹立つ～
お前のそのセンス、他ので使えよな…」