元殺し屋はヒーローになる28 (ページ31)

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240話爆豪から緑谷へページ31

「緑谷…！もう誰かがいなくなんの、嫌だよ
一緒にいよう!? またみんなで授業受けよう」

芦戸さんの言葉に、僕は支えてくれていた切島くんから離れて立った

「おい！」

「緑谷くん！」

「…そう…したいよ…けど、恐いんだ…！雄英には…！たくさんの人がいて…！
他人(ひと)に迷惑かけたくないんだ…！もう今まで通りじゃいられないんだ…」

「デク」

「…かっ、ちゃん…」

「俺は…てめェに言わなきゃいけねぇことがある
俺は、ガキん頃からてめェをずっと見下してた………“無個性”だったから
俺よりはるか後ろにいるはずなのに、俺より遥か先にいるような気がして、嫌だった、見たくなかった、認めたくなかった
だから遠ざけたくて虐めてた
否定せることで優位に立とうとしてたんだ。俺はずっと敗けてた
雄英入って、思い通りにいくことなんてひとつもなかった。てめェの強さと自分の弱さを理解してく日々だった
言ってどうにかなるもんじゃねェけど、本音だ、出久」

僕を真正面から見て、かっちゃんが、言った

頭を小さく下げて

「“今までごめん”」

「…………………！」

「ワン・フォー・オールを継いだお前の歩みは、理想(オールマイト)そのもので、なにも間違ってねぇよ
けど今、お前はフラフラだ。理想(オールマイト)だけじゃ越えられねぇ壁がある
お前が拭えねぇもんは、俺たちが拭う
理想(オールマイト)を超えるために、お前も雄英の避難民も、街の人も、もれなく救けて勝つんだ」

かっちゃんの言葉を聞いて、思ったことがある

みんなとっくに

「“ついてこれない”…なんて…」

僕なんかよりずっと先に

「“ついてこれない”なんて酷いこと言って…ごめん」

ガクン、と揺れた足で倒れていく僕を支えたのは

「わーってる」

かっちゃんだった

「とりあえず、第一関門はクリア…ですわね
次は…第二関門…ここからはより険しいですわ」

「うん」

ﾊﾟｼｬﾝ…

『なに……………………これ』

「「!!!!」」

「青子……さん」

『緑谷、なにこれ……』

雨に濡れて目から雨が伝って落ちている青子さんが、現れた