元殺し屋はヒーローになる28 (ページ22)

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「…ただ、もし…今のあの子を補完できるものがあるとすれば…」

アイワーンの言葉に全員が思い浮かべたのは、彼らだった

困っている人を助けるために、どこまでも飛び出して、立ち向かっていく2人のヒーローを、誰が…補完できるのか

『あの…お怪我は？』

「ひぃ！」

『………』

「ふ…複数“個性”…オール・フォー・ワンの…手下…!?」

『……!? 違います！私は』

「やっ、ならいい！ならいい!!」

「大丈夫だから…!! 私たち、大丈夫ですから！」

まるで、関わりたくないという顔だった

それもそうか…私だもん

「青子さん」

『緑谷…ごめん、離れて』

「ううん…いける？」

『うん…反対方向に行ってみるから、そっちお願い』

「うん。なにかあったら連絡して」

『うん』

緑谷と合流してその場から2人で反対方向に背を向けて走り出す
お互いが駆けつけれる距離までで動くこと、それを決めた。オールマイトから離れる時に

反応ができる距離の中で、1人で行動するための条件

みんなが困っている

オール・フォー・ワン…なにがしたいんだ

どこにいるんだ

死柄木を止めなきゃ

敵連合を止めなきゃ

大好きなみんなに手は出させない

オーバーホールを奪わせたりなんかしない

みんながまた、笑って安心して過ごせるように

エリちゃんや

A組のみんなや

E組のみんなや

オールマイトや

相澤先生や

焦凍が

みんなとまた

大好きな、大事な、宝物の、みんなとまた

笑って過ごせるように…

ﾌﾗｯ

『！』

バシャッと水溜りに手をついた
雨の中濡れて風邪をひくかもしれない。だけど、風邪なんて引いていられるわけがない…

それに、こんなことでつまづいてたら、みんなが安心して笑えない

行かなきゃ…動かなきゃ

(青子)

『！』

シュヴァル？
上半身のみをモヤで形成したシュヴァルが私の肩を優しく抱いた

(デクが)

『!!?』

(敵意はない…大丈夫だ…相手は敵でもダツゴクでもない)

『なら、誰が…』

(…………………それは)

耳を、疑った