元殺し屋はヒーローになる28 (ページ3)

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タワーマンションでワイングラスを揺らしている男がクピッとワインを煽った

「オール・フォー・ワンはとある力をあの子に植え付けた
なぁに、爆死するようなものじゃない。似たようなものを植え付けたのだよ…」

「つまり…」

「ワン・フォー・オールと同じように、力をストックさせれるようなものだろうな
あの子本人は自分の努力でと思っているが、実はそうじゃぁない。全ては、オール・フォー・ワンの思惑通りさ」

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「いやいや、だとしてもなんでオール・フォー・ワンはそんなことを？青子ちゃんにそんなことする必要ないっすよね？」

「…ワン・フォー・オールと同じように力を溜め込ませるため、か？」

「それは、そうならないといけないじゃ無いですか。もし、青子ちゃんがヴィランズランドと契約してなかったらそれは達成されませんよ」

「…………あるいは、そうなることを見越していた」

「だとしたら、こんなの…人の常時を超えてますよ…」

青子がどうしてあんなに強いのか

それを知るのはオール・フォー・ワンのみ

「あの子はそうなるべくして作られた、いわば操り人形なのさ」

「…恐ろしいことを」

「はっはははは！実際に会うのが楽しみで仕方ない…
今日本は危険な国として扱われているが…あの子ならやり通すだろうな…なにしろ、あの男の妹なのだからな」

タワーマンションから見下ろせる位置にある部屋でワインを嗜む男は振り返って腹を抱えて笑う
そして、壁にかけられてある引き伸ばされた写真を眺める

「まぁ、近いうちに会えるだろう。その時に、答え合わせをすればいい」

その写真は、治崎と仲睦まじく写る幼い頃の青子だった

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(まだ、動いている…少年、少女…あまり寝てないだろうに…)

車の液晶パネルに表示されるのは２つの小さなマーク。緑谷と青子のGPSだ

車を運転していたオールマイトの脳裏には、元サイドキックの言葉が蘇る

自身が無理をして平和の象徴に戻ろうとした時、彼がかけた言葉

“もうフカフカのベッドで…安眠をとっていいんだ”