元殺し屋はヒーローになる28 (ページ2)

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「心の欠落…」

「なんにせよ、スーパー敵も情報を持たない…動きも見られない
向こうが戦いを避けたいのであれば、そこを突かない手はない。今治安維持に割いている人員を減らしてでも、一気に捜索を拡大する時か…」

ぶつぶつと言っているホークスよりも、エンデヴァーはどうしても気になることがあったらしく、それを言ってもいいものか迷っていた

そんな彼の動きをジーニストは感じとった

「何か気になることが？」

「ひとつ…ひとつ、疑問に思うが…なぜオール・フォー・ワンは青子を狙う？」

エンデヴァーの言葉に「そりゃあ、強いっすもんね」とホークスは当たり前のように答えた

「“個性”も強けりゃ体術も」

「緑谷と同じように力を秘めているのなら、どうしてその身体は耐えれている？」

「…え？」

「青子本人があの22人の人間と契約を交わして“個性”を扱えるということがどうしても信じられん
もしかすると、青子が気づかないうちに何かあったのかもしれない…青子の身体に、なにかが」

「なにかって…」

「例えば…」

「オール・フォー・ワンによる、与えられた知らない“個性”」

「んなまさか！」

「だが、もしそれが本当だとすれば…」

ホークスは恐ろしいことが頭をよぎる

もしその仮説が正しいとして、もし青子の中に…

「それってつまり、オール・フォー・ワンによってなにかの“個性”を与えられたことを青子ちゃんは知らない、ってことですよね？」

「可能性としてはそうなる。だが、本人が気づかないうちにそんなことがあるのか？」

「青子ちゃん本人、オール・フォー・ワンとの関わりはどうだったんですか？」

「ただ暗闇に1人でいたとばかり…」

エンデヴァーの言葉に「それは妙ですね」とホークスは口元に手を当てて考え込んだ

「いくら暗闇であっても、ご飯やトイレに行くときはどうなってたんでしょうね」

「…………あるいは」

「トイレやご飯をしなくてもいいように7年間眠らされていた…」

「「!!?」」

「い…いやいや、ジーニストさん、エグすぎますよ流石に」

「だが実際、死柄木はそうだっただろう？カプセルの中にいた」

「………………」

ホークスが冷や汗を流す
もしこれが本当ならば…

「あの子にはもう一つの力があるのだよ」