元殺し屋はヒーローになる28 (ページ7)

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「このあと恐らく、雄英生のある少年と少女が学校を出て単独行動をする
その少年と少女を捕らえて僕の元に連れてきてほしい
2人と離れたところに(・・・・・・・・・・)、数名実力者が張っているだろうから(・・・・・・・・・・・・・・・・)まずは分断を考えて立ち回るといい。例えばそうだな、雨を待つといくらか」

「待て待て、やんねぇよ」

手を振って嫌そうに断ったレディ・ナガン

「タルタロス(ここ)から脱出する条件…奴らは「暴れる」だけで、なんでウチだけそんなことしなきゃいけねえ？」

「キミは仲間のヒーローを殺した。キミの願った“ヒーロー社会の破滅”は、その少年と少女がいる限り決して訪れることはない」

「偽りの希望…か」

スッ…と目つきと顔つきが険しくなったレディ・ナガンの小脇に抱えられていた治崎が壊れた人形のように「オヤジ…ハナ…」と言う

「死穢八斎會若頭……友人かい？」

「…いや、壊れちまってるし何かに使えるかと思って」

「その判断は懸命だよ、レディ・ナガン。その男は僕が捕まえてきてほしい少女の兄だからね」

「………」

「彼も悪しきヒーロー社会に押し潰された被害者であり、実の家族に裏切られた…
憎きヒーローに止めを。さァ、契約を結ぼう。これはほんの手付金さ」

“個性”エアウォーク！

「任務を遂行する」

ーオールマイトー

「この車(エルクレス)じゃなきゃバラバラだぞ！」

ボワッと大きな爆発があったが、間一髪のところで避けることができたオールマイトの視界に入ってきたのは、手でロケットを持った２人組だった

(物盗りの類じゃない、明らかな殺意!! 加減を知らぬイタズラでなければ、狙いは少年と少女との分断!!)

秘匿デバイスを手にオールマイトは荷物を手に、ハンドルを切った

「刺客だ！少年と少女が狙われている(・・・・・・)！」

放たれたロケットからなんとか逃げることができたオールマイトは地面を転がって濡れるアスファルトから起き上がった

「オ、オールマイト!?」

「ビビるな…！やる事はかわんねェ…！
見てみろ、あの細い身体を…オールマイトなんざもうとっくに死んでんだ」

雨で、闇夜で、オールマイトの顔が、見えにくい