元殺し屋はヒーローになる13 (ページ39)

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髪の毛を刃物のように変化させて操る“個性”ってわけね

「ど、どうする」

「落ち着いてください。ここから慎重に、雄英ヒーロー事務所へ向かってください
大丈夫、奴らが向かっていった方向とは全く違う方向を歩いていけばきっと会うことはありません
これを持って。安全なルートを表示してくれます
さ、早く」

小さな電子モニターを渡して、事務所の方へと避難を促す

さぁて……

俺はすぐに真幌と活真のいる公園へと足を運んだ

青子side

1日の大半を仕事で費やした私たちは、少しずつ事務所に戻ってきて、1日の終わりを迎えようとしていた

その時、近くの電話が鳴り、近くにいた爆豪かっちゃんが面倒臭そうに受話器をとった

「なんだ？チンケな依頼だったら……」

《敵が漁港に出たの！》

「その声………昨日のクソガキだな」

『活真と真幌？』

爆豪かっちゃんの声に眉を寄せて、『何かあった？』と聞いてみても、爆豪かっちゃんは電話の方へ

「お前なァ、そう何度も騙されると………」

《ウソじゃないって！本当なんだってバクゴー》

受話器の奥から漏れる切羽詰まった声に緑谷が爆豪かっちゃんが持っていた受話器をひったくった

「もしもし、デクだけど」

「てめ」

そんな一部始終を黙って見つめていると、E組専用の無線が反応した

『こちら江戸っ子、どうかした？』

《青子!!》

『カルマ？どうしたの？』

無線の相手はカルマで、こちらも切羽詰まった声になって息の切れた声で《敵だ！》と短く伝えてきた

《漁港に》

《港に》

次の瞬間、2人の声が途切れた

受話器からは通話が切れたことを知らせる遮断音と、無線からは砂嵐が流れていた

突然のことに立ち尽くしたけど、爆豪かっちゃんに確認を取るために振り返る

『真幌、なんて言った？』

爆豪かっちゃんの言葉を聞いて、緑谷と一緒に事務所を飛び出した

「杞憂ならいいけど………」

『とにかく、漁港に行くよ。無線も電話も使えないとなると、律に応援頼むの難しい
スマホのシーバーから連絡取る』

「お願い！」