元殺し屋はヒーローになる13 (ページ37)

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“雄英ヒーロー科のくせに、ダメダメじゃない”

確か、真幌ちゃんが青子さんに言ったんだっけ

(そうか、真幌ちゃんはヒーローが嫌いだからじゃなく、活真くんのことを心配して……)

ヒーローは確かにかっこいい

危険をいとわず、みんなを救けてくれるから

けれど、家族にとってはヒーローである前にただの人間で、失いたくない存在

僕のお母さんも、その1人だ

「ねぇ、活真くん。活真くんは、どんなヒーローになりたいの？」

「………悪い敵をやっつける、強い、ヒーロー」

その顔には、僕と同じくヒーローへの憧れ浮かんでいた

「そうなんだ。僕は困ってる人を救けるヒーローになりたいんだ」

「困ってる人を、救ける………」

「うん。活真くんの、敵に勝って人を救けるヒーロー
僕の、人を救けるために敵に勝つヒーロー
順序は違うけど、目指してるものは同じ……最高のヒーローなんだと思う」

「………………」

『…言われてんぞ』

「うっせぇ」

「だから、お互いに頑張ろ」

「……うん」

「あ、でもなるべく、家族には心配かけない感じで」

「うん！」

元気に返事して手を振って笑顔で駆けていった活真くんを見送ると、入れ違いに鈴村さんが走り去る活真くんをニコニコと見送る

「活真ちゃん、本当にヒーローが好きなんだねぇ
はい、これ」

「ありがとうございます、鈴村さん」

収穫したばかりの野菜をもらうと、鈴村さんは心配そうに言った

「優しくしてあげてね」

「？」

「あのコん家ね、母親を早くに亡くして、父親は年中出稼ぎ……
姉の真幌ちゃんと2人きりで暮らしてるんだよ
もちろん、あたしら近所の者も面倒見てるよ
けど、あの歳で親がいないって寂しいだろうから」

「…………」

カルマside

「ふぁっ………ここ、最高すぎ」

漁港を見下ろす公園の近くにある木の上、安定もすれば居心地のよい木の枝に座って昼寝を決め込む

なにかあれば、律が教えてくれるし俺の担当地区はちゃんと見回りもしたし

「…ん？」

視界の端、ピンク色の何かが見えたので目を開けて下を見下ろせば、昨日の子がいた