元殺し屋はヒーローになる11 (ページ2)

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74話笑えないままなんてページ2

「何、逃げただと？」

「すいやせん、オーバーホール、お嬢…」

「あの天才的な頭脳を持った柳沢を取り逃しただと？」

「…すいやせん」

『…………クロノ、どう言うこと？』

兄は柳沢の頭脳に惚れ込み、彼がいた病室から柳沢を連れ去った

身体が動けるように「修復」したのだ

「すいやせん…」

『…いいわ。あんな奴いなくても、もう薬は完成してるんだもの』

「…そうだな」

さぁ、どこまで楽しませてくれるのかな

ミリオside

ー現在ー

「すぐ来れるような道じゃなかったハズだが…」

「近道したんで…その子達、保護しに来ました」

(センパイ…)

「………………。………………事情がわかったらヒーロー面か、“学生”さん」

確かにそうだ

「あの時、見て見ぬ振りをしていたよな
お前に保護されるなんてこの子たちは望んじゃいない
この子達にとってお前は、ヒーローじゃない」

絶望の色を背負い込む2人を見ながら、「だから来た」と言う

「伝わらないな。わかりやすく言ってやろう」

『！』

「死ぬってことだよ」

グラッと視界が歪み、「何っ…」とふらついた

平衡感覚が…っ

「ヒャヒャヒャヒャ！酔っ払っちゃったかァア～～～～!?
ウィイイ、足元がァ、おぼつかっおぼつかねェエなァアア!?

俺もだよ!! だから道は歩かねェエエ！
俺に近づくなよォ、酔っ払いがうつっちまうぞ!!」

こいつの“個性”か！

エリちゃんとハナちゃんがすぐそこにいるのに…こんな奴にやられてる場合じゃ

その時、俺を狙っている銃弾をかろうじて避けた

「どういう“個性”だ？」

「「透過」!! 発動中は、あらゆるものがすり抜ける！」

口が勝手に！

「どこから湧いたかと思ったら…なるほど。それならミミックたちもスルーできるというわけか」

「強制的に喋らせる…ってとこか…！
前線に立つタイプじゃ…ないね…！」

「故に。他の使い捨てとは違う。私は八斎衆の中で唯一！若の野望に寄り添うことを許された身!!」

「実の妹と娘を使って、何が野望だ…!!」

「……………？
………ああ、物事を円滑に進めるには情など不要。キミもよくわかっているだろう」

「……！」