1話 先輩 ページ3
「姫乃、宮野」
「平野先輩!」
『お兄ちゃん』
「最近、佐々木がお前らの教室によく行ってるみたいだけど大丈夫か?」
1年のクラスにやってきたのは私の兄、平野大河
見た目は不良みたいな金髪にピアスだけど真面目でお世話焼きで優しいお兄ちゃんだ
『大丈…じゃないけど』
「平野先輩が俺に萌えを提供してくれれば大丈夫になります」
「ねーよ」
「俺、知ってるんですからね!先輩がこないだ1年のAクラスのバスケ部の笑顔が爽やかで素敵な男子生徒と楽しそうに笑って話し」
ゴン
「…すいませんでした、ちょっと萌えが」
「誤解すんな。あいつは寮のルームメイトなだけだから」
『お兄ちゃん…』
みゃーちゃんの頭を殴ったお兄ちゃんは席に座って「あいつにお前らのクラス教えたの俺だからな」と言う
「迷惑行ってたらわりーなって思ったんだよ。一応大事な後輩と妹だしな」
「先輩…」
『お兄ちゃん…』
「姫乃ちゃんいるー?(ガラッ」
「(ガタッ」
『お、お兄ちゃん?』
「連れて帰るわ」
『ハハハハ…』
怖い顔をしたお兄ちゃんがそのままやってきた佐々木先輩を連れて行こうとしている
「え、なになに。いたたたたたたた。ちょっと平野!関節!関節そっち無理!」
「用もないのに他学年の教室に行くなって言ってんだろテメー」
『お兄ちゃん…』
そのまま先輩を連行して行ったお兄ちゃんを見送ると「そういえば、平野はなんで佐々木先輩と?」とみゃーちゃんに聞かれた
『んー…夏休み前の喧嘩の時から、かな。あとは、夏休み明けのあの』
「あぁ…」
ー夏休み明けー
『みゃーちゃん、次は?』
「平野先輩の教室だよ」
『お兄ちゃんいるかな』
風紀委員の資料を渡すために委員長に押し付けられた資料を各委員に渡しに行っている私とみゃーちゃん
2年の教室に向かい、中を覗くとお兄ちゃんは窓辺の椅子に座って本を読んでいた
「平野先輩いますかー?」
『お兄ちゃーん』
「宮野と姫乃」
『お兄ちゃん、電話出てよ…』
「悪ィ。今日忘れた」
『もー。今日、委員長からの伝言で、委員会なしなんだってさ』
「ん、わかった」
『で、これなんだけどさっき委員長から…』
ホッチキス留めになっている資料を渡した時、トンとドアにもたれる影があった
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時