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「へぇ、もう友達できたのか」
「姫乃ちゃん、フレンドリーだね」
『あ、あははは…』
のんびり京都見物などするつもりはない私と新一は、咄嗟に嘘をついた
お兄ちゃんにバレそうだけど、今回ばかりは致し方ない
(山能寺から仏像を盗んだのは“源氏蛍”にまず間違いない…だけど、誰がなんの目的でこの絵を届けたのか…そして5件の殺しとどう関係があるんだ…?)
「明日、どうする?」
『うーん…源氏蛍といえば…義経と弁慶…その2人と言ったら』
「やっぱりあそこだよな…」
ー翌日ー
「ふあっ……あ?早いな」
『お兄ちゃん。おはよう』
「ん、おはよう」
和室の布団から起き上がったお兄ちゃんに挨拶をする。髪の毛を小さくまとめて身だしなみを整えてから襖を開ける
『じゃあ、私行くけど何かあったら連絡してね』
「あぁ、お前もな」
『はーい!行って来まーす』
「おー」
山能寺の外で待っていた新一と合流して、一緒に五条大橋まで向かった
五条通の鴨川に架けられたこの橋は牛若丸、源義経と弁慶が出会ったと言う伝説で知られており、橋の西詰には可愛らしい牛若丸と弁慶の石像が建てられている
『手がかり…なさそうだね』
「謎の絵に関係ありそうなものはねーな…」
『うーん』
ポケットに絵のコピーをしまっていると、後ろから気配がした
「京の五条の橋の上、大の男の弁慶は長いなぎなた振り上げて、牛若めがけて斬りかかる!!」
「!!」
新一は咄嗟に素早くジャンプしてかわすと、欄干に飛び乗っていた
私はすぐに横によけたあと、誰だと確認しようと顔を見るとそこには
『は、服部…』
「お前らとここで会うとは、神さんもシャレたことしてくれるやないけ!」
「はぁ?」
『あれ、用事…』
「ん?」
なんでこんなところに…
「兄ちゃん、竹刀返してぇな!」
「お、すまんすまん!サンキューな!」
「ほな行くで!」
「しっかり稽古せいよー!」
「竹刀なんか借りるなよな!」
欄干から飛び降りた新一が服部に呆れた顔で見ながら言うと「それよりお前ら、こんなとこで何してんねん?」と聞いて来た
「お前こそ何やってんだよ」
『うんうん』
聞き返すと、橋を渡って川岸へ降りる階段へ向かっていた
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時