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「切手はなし。差出人の名前もなしか…」
『おじさん、中身は?』
「あぁ」
私に促されたおじさんは封書の中身を取り出した
2枚の紙が出てくると1枚目の紙には筆書きの文字が記されていた
「“この絵の謎を解けば、仏像の在り処が判る”…」
『…?』
「なんだぁ?この絵は…!?」
おじさんが2枚目の紙を見る。そこには筆で描かれた絵があった
紙いっぱいに描かれたひな壇の上には、金魚や天狗、ニワトリなどの絵が並んで描かれていた
ーーーーー
ーーー
ー
薬師如来像とひな壇のあのカラーコピーを目の前にして私たちは真剣に絵を見つめた
「なんなんだよ、この絵は一体…」
「1番上の5段目に描かれているのは、セミと天狗と金魚だね」
「その下の4段目に、ニワトリと…ドジョウかしら?」
「黄色いドジョウなんて、気持ち悪〜い」
「この点みたいなのはなんだろう?」
「ただのシミでしょ」
『2段目と3段目の間に…スミレと天狗と富士山…』
ひな壇の1番上には左から赤い色のセミ、緑色の天狗と赤い色の金魚
4段目がニワトリとドジョウが黄色い
5段目と4段目の間にある黒い点
3段目には何も描かれていない上に、2段目と3段目の間には紫のスミレ、緑色の天狗と、紫色の富士山
「ねぇ、横にどんぐりもあるよ」
『富士山の横にどんぐり…』
「ゔーーん…」
「なぞなぞよりむずいな…」
「ねぇ、お父さん。明明後日までに見つけられるの?」
「し、心配すんな!こんな絵、俺様にかなりゃ謎でもなんでもねぇよ!」
(おいおい、ホントかよ…)
顔がこわばって焦りが見えるおじさんに疑いの眼差しを向ける新一をよそに「ねぇ」と園子が蘭に声をかけた
「仏像探しはプロに任せて、私たちは京都見物しようよ!」
「あ〜そうしろそうしろ。お前らがいても邪魔なだけだ!」
「実はね、和葉ちゃんに連絡してあって明日、京都を案内してもらうことになってるんだ。ただ、服部くんは用事があって来られないんだって」
「彼女が決まってる男は、いなくてOK!」
『へぇ…』
(あいつは来ねえのか…)
『1番来そうなのに』
奇妙な絵を眺めていると「コナンくんと姫乃も一緒に行くでしょ?」と蘭がこちらを見て言うのに私は慌てて口を開けた
『ごめん、私とコナンくんは遠慮するよ』
「近所の子たちと川は釣りに行く約束を…」
「あら、もうお友達が?でも気をつけるのよ」
「う、うん!」
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作者名:サッカーバカ | 作成日時:2022年4月9日 15時