【HQ】高校バレー界の問題児とは 5

二話 ページ2

『あれれ、飛雄くんもいんじゃん。やっほぃ』

影山｢堤…この前ぶりだな｣


相変わらずセンター分けの彼には慣れない。前のV字も好きだったけれど、今のもスッキリしてていいな。イケメンな顔がよく映える。道理でリアコも増えるわけだ。

私がアドラーズ所属ということで、彼とはそれなりに交流がある。練習はかなりの頻度で参加しているため、ほぼ毎日顔を合わせている気もする。



『それにしても日向くん、ごつくなったね』

日向｢堤もめっちゃ背伸びたよな！ 170ある？｣

『172cmですぅぅ、実は日向くんと1ミリしか変わりませんんん！！！』

日向｢嘘だろ！？｣



どうやら私は成長期が遅かったようで、高校3年生になってから何故かどんどん背が伸びだした。夢の170cm台には案外簡単に乗ってつまらなかったのを覚えている。

目の前の彼もかなり成長した気がする。ブラジルに単身で乗り込むなんて聞いた時は心配したけれど、元気そうな彼を見ると大丈夫そうだ。
てっきり、どこかの尾白のアランさんみたいな感じにまっ黒焦げになってくると考えていたけれど、少し黒いなぁくらいで留まっている。

可愛い日向くんがどこかの尾白のアランさんみたいになんなくて良かった。(失礼)



日向｢そういえば、堤めっちゃ綺麗になったな｣

影山｢コイツ彼氏いるからな｣

日向｢彼氏ぃぃ！！！？？？｣

『あのさ、そこまで驚かれるとさすがに傷つくんだけど、やめてくれます？』



あの堤Aに彼氏。驚くのも無理はない。彼女と寝床を共にした彼らなら尚更そうだ。
一生彼女は独り身だと勝手に思っていた。A自身もそうだ。彼氏が出来て一番驚いている。

いや、あれを彼氏と言っていいのか否か。



『別に同棲してるだけだよ。そんな甘ったるい関係じゃない』

影山｢え、でも国見は…｣

『おまっ、バカヤロ！！！』

日向｢ん？｣



堤Aは今やバレー界のスター的存在。彼女に恋心を抱くファンも少なからずいて、彼女に彼氏的存在がいるというのはバラしてはいけない機密事項。名前なんて出したら危険に決まっている。

いつどこで誰が聞いているか分からない。あれほど口止めしたというのにコイツは…。



『…今日焼肉奢り』

影山｢わりぃ…｣

『日向くん、今の忘れて、私彼氏いないわ』

日向｢だよな！｣

『ちょっとは疑ってくれ！！！』

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