◇*28*◇ ページ28
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走れー!、だの
上がれー!、だの
叫ぶ声と、ポーンとボールを蹴る音が響く校庭。
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そこにある石段に、大野は腰掛けていた。
意外にもサッカー部の顧問らしいからサッカー部員たちのことを見てるんだろうけど
その表情には笑みさえ感じられる。
いつも見せるおちゃらけた笑顔じゃなくて、部員を見守るような優しい笑顔。
それに少しドキッとしかけたけど
もう騙されない!
敬語だってもう使わない!!
二宮の靴より少し値段が高そうなスパイク。
そんなものに努力を踏みにじられたくないもん。
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「なーにやってんの? 相葉」
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一人でぷんぷん怒ってたら、私に気づいた大野がひょいっと私の方を見た。
それが何だか突然で
「あのっ、あうっ、えっ……」
なんて訳の分からない、言葉にならない平仮名だけがぽんぽんっと口をついて出る。
あたふたした私のそんな様子を見て大野は顔をくしゃっとさせて笑った。
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「どーしたの?」
「あっ、えっと……プリント、出しときました。 二宮先生に大野先生の机に置いてくれるよう頼みました」
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私は何でまた敬語を使ってるんだろうか。
はぁー、心の中で深いため息をついた。
またバカにされる……
そう思ったんだけど
大野の口から出た言葉は意外や意外
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「敬語使えるようになったんだ。 偉い、偉い」
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石段から立ち上がって
私のところまで来た大野が、そう言って私の頭をぽんぽんと撫でた。
びっくりして思わず手を払ったら「あっ、ごめん。 やだった?」なんて苦笑気味に大野は笑った。
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「敬語使える子はいいよー。 就職活動とか大学の推薦入試とかそういうの言葉遣い大切だから」
「そう、なんですか……」
「もう3年なのにな、使えない奴はいっぱいいるから」
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褒められた……
教師に褒められたのって初めてかも。
だから本当はすごく嬉しくて、心の中じゃガッツポーズまでした、
した、のに……
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「……ウルウルしちゃってるとこ悪いんだけど。 ごめん、今のは、媚び売った」
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……は?
前言撤回。
こいつもいい奴なんかじゃない。
人の感動を踏みにじるだけじゃなくて
タイキックで最後のとどめをさしてくる。
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ニヤニヤ笑う大野。
こんなに人を殴りたいと思ったのは初めてだ。
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紗乃(プロフ) - 可愛い潤くんが見れてよかったです♪最後の所が、私はとても好きで、主人公ちゃんらしいなぁ…と。(笑)流花さんの文章も、流花さんが書く嵐の皆さんも大好きです☆これからも応援してます!!あの天使潤くんが31歳だなんて信じられないです。口が空いまま閉まりません(笑) (2014年9月2日 21時) (
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