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彼はめい
高校生の時の同級生だった
同級生だったのも4年も前のことでありこの4年間1度も連絡を取ることはなかった
いや、正しく言うと私が連絡先を全て削除したからである
今はお互い何をしているかも知らないし、もう関わることは無いと思っていた
めいにひっぱられながら歩いていると自然と彼の後ろ姿を見ることになる
髪染めたんだなぁ
彼の綺麗な金色とまでは行かないが明るいキラキラした髪色を見て記憶の中の学生だった彼を思い出す
私が頭の中でぐるぐると色んなことを考えている間に彼の家に着いたらしい
「タオル持ってくるから、まっててね、」
そう言うと彼は走って部屋の中に入って行った
玄関に残された私は今なら帰れるのではないかと足音を立てず後ろを向き玄関のドアノブに手を差し出した
「ねぇ」
いつの間にか後ろにたっていためいが逃がさないと言わんばかりに私に覆いかぶさった
『いや、ごめん…』
私はなんて言えばいいのか分からず訳が分からない謝罪をしてしまった
「おねがい、もう居なくなんないで…」
泣きそうな、今にも消え入りそうな声で言うもんだから振り返ると涙がこぼれそうになるのを耐えているめいの顔があった
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作者名:とめち | 作成日時:2023年7月15日 11時