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追憶 6.Teufel ページ14

当初は成り上がりのガキである俺を周囲が見くびっているのが丸分かりだった。
不愉快な視線がうざったかったので、その辺りは仕事ぶりで答えを示した。そうすると皆が俺を恐れ称えるのだった。

そうして信頼やら地位やらは堅実に手に入れた。

仕事絡みで蹴り飛ばした人間の数は両手両足の指で足りなくなった辺りで数えるのを諦めた。喧嘩屋時代では相手の生死など興味はなかったが、金が絡む任務となれば人を殺める事も稀にあった。


命じられるまま引き金を引いて人を殺してもなお、俺は何も感じられなかった。ただ、自分が死にたくないが故だった。

二つ目の転換期は17歳の頃。単刀直入に言うと、俺の前世における享年だ。転換期が死期と重なるというのに首を傾げる方もいるだろうが、今世と前世を跨いでいるのでそこは大目に見てほしい。


17になり、俺はすっかり背も伸びて正装(黒スーツ)の似合う男になったと思う。いくら汚れ仕事の担当といえど形式的な都合上、堅苦しい服の方が何かと場所を選ばないとのことだ。

返り血が目立たなくて便利なのは分かるが、いかんせん窮屈なのが考えものだと思う。
2、3年前までは発表会のお坊ちゃんと馬鹿にされもしたが、今となってはそんな口を叩ける猛者は一人といなくなっていた。少し寂しい。


盾とお飾りを兼ねてお偉いさんの後ろに控え終わると、決まって慣れないネクタイで縊死しそうな気分になる。

立ち仕事がようやく一段落すると、即座にネクタイを最大限に緩めてワイシャツのボタンも上二つ分外す。大きく伸びをして一度深呼吸を挟むと肩が幾分か軽くなった。

凝った首をぼきぼき鳴らし、遅めの昼食を摂ろうと考える。小さな紙袋から先ほど購入したサンドイッチを取り出し、豪快に齧り付いた。

一口で半分ほどが無くなったミートサンドは相変わらずの絶品だ。ガキの頃から涎が出るほど焦がれただけのことはある。
残り半分も一思いにぺろりと食べ尽くし、ペットボトルに入った水で流し込んだ。最高の気分だ。邪魔立てさえなければ。



「ぷは、んまい。あー、一応言っとくけど物欲しそうに待っててもテメェにはやんねーぞ? 全部俺が買った俺の飯だ。パンくずの一つだってくれてやるかよ」

追憶 7. zufallsbegegnung→←追憶 5.Tage der Gewalt



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そす(プロフ) - ハデスさん» 数あるブルロ作品の中から拙作を読んでくださってありがとうございます!! 私も時々読み返すくらいカイザーとのやり取りがお気に入りです! (8月25日 16時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
ハデス - 最高です!お疲れ様でした!個人的に評価10です!カイザーと男主のかけあいが最高でした! (8月25日 16時) (レス) id: 1608cd6270 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - いちごくりーむぱんさん» コメントありがとうございます! 最高の言葉が最高に身に沁みます! こちらこそ感謝です! (7月11日 23時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
いちごくりーむぱん - そすさんイベント参加ありがとうございました!遅くなり申しわけございません…!最高でした!私はそすさんと違って語彙力が無いのでwこんぐらいしか言えませんが凄い良かったです! 素敵な作品有り難う御座いました! (7月11日 22時) (レス) @page1 id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@多忙さん» コメントありがとうございます! こちらこそご愛読いただき感謝です! (6月3日 8時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そす | 作成日時:2023年3月25日 9時

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