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追憶 11.ungebetener Besucher ページ19

初対面の子供に舐められるという不名誉に関しては今後の改善案として活かそう。ともかく飯と後味が悪くなるのは避けられた。万事解決。

2ユーロ硬貨を握りしめたガキンチョをさっさと追い返し、空になった紙袋を畳んでいたら、食事用に設けられていた休憩時間が終了間近になっていた。そろそろ戻らなくては。


慌てて緩めきったネクタイを締め直していると、背後から足音が聞こえてくる。音からして子供のものじゃない。

近くに来るまで気付かなかった。チッと舌打ちが漏れる。仕事始まりから嫌な奴と顔を合わせなければならないようだ。


不機嫌を隠す気のない俺と同じく、背後の男も嫌味ったらしい本性を気配に滲ませ隠そうとしていない。

振り返った俺と目が合うや否や、「いやはや」と乾いた拍手を贈られた。何の敬意も感じられなかった。



「いやあ、感動してしまいました。まさか敵も味方も恐れる雇われ用心棒様が、飢えた子供に施しを差し上げるとは!」

「……別に、さっきまでの俺はただの俺で、雇われ用心棒でも何でもねぇよ」

「見事な計らいでした。アレくらいの子供の肉は丁度柔らかくて食べ頃なのですよ。調理の工程は面倒ですが」

「…………クソ、カニバ野郎が。噂には聞いちゃいたが趣味悪りぃな」

「よく言われます。遺憾ですね」

「コソコソ覗き見しやがって。あの死にかけのガキンチョがそんなに美味そうに見えんのか?」



何が面白いのか、男はくすくすと笑って丸メガネのレンズを布で拭き始める。悪巧みをする直前の仕草だというのは分かっていた。

こちらを侮るような仕草といやに余裕そうな態度が気に食わない。



「ええ。子供一人で向かえる場所などたかが知れています。足跡を追う事くらいわけはない。鴨が自ら群れへと案内してくだされば、さぞや良質なネギがたらふく私たちの懐に入る事と思いまして」

「テメェ……」

「さすれば貴方の雇い主様もお喜びになられる。実に合理的ではありませんか?」

「それは上の御判断か? それともテメェの独断か?」

「愚問ですね。私は命でしか動きませんよ」

「成程、後者かよ」



やっぱりあの時、見て見ぬ振りをすればよかったんだ。

追憶 12.schlimmstes Ende→←追憶 10.Geschäft abgeschlossen



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そす(プロフ) - ハデスさん» 数あるブルロ作品の中から拙作を読んでくださってありがとうございます!! 私も時々読み返すくらいカイザーとのやり取りがお気に入りです! (8月25日 16時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
ハデス - 最高です!お疲れ様でした!個人的に評価10です!カイザーと男主のかけあいが最高でした! (8月25日 16時) (レス) id: 1608cd6270 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - いちごくりーむぱんさん» コメントありがとうございます! 最高の言葉が最高に身に沁みます! こちらこそ感謝です! (7月11日 23時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
いちごくりーむぱん - そすさんイベント参加ありがとうございました!遅くなり申しわけございません…!最高でした!私はそすさんと違って語彙力が無いのでwこんぐらいしか言えませんが凄い良かったです! 素敵な作品有り難う御座いました! (7月11日 22時) (レス) @page1 id: c0d0824301 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - りりり ( ´・ω・)(・ω・` )@多忙さん» コメントありがとうございます! こちらこそご愛読いただき感謝です! (6月3日 8時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:そす | 作成日時:2023年3月25日 9時

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