第32話 凱旋 ページ33
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「…………お、帰ってきましたね」
AAの実力を測る実地試験開始後、待機していた家入が久しぶりに声を出した。
同時に五条と夜蛾は、建物の入り口から外へと出てきたシルエットの大きさに、思わず訝しげな顔をする。
「…ほら、外だよ。そろそろ自分で歩いてくれないかな」
『ごめん夏油くん、お姉ちゃんが術式使ってから眠くて眠くて……』
「だから出すなって話だったよね？」
『仕方なかったぁ〜……』
泣きじゃくる二人の子供の手を引き、寝ぼけ眼のAを抱える夏油が、のろのろと門を潜って出てくる。
その光景に五条は「ワンオペじゃん傑」とゲラゲラ笑い、家入はすぐさま子供達の治療に当たった。
「………あの、お姉ちゃん」
『あぇ、私れすか…？』
完全に寝ぼけている、と夏油は呆れつつAを少女の目線に合うよう降ろしてやった。
「…た、たすけてくれて、ありがとうっ……！ こ………これ、おれい」
漸く恐怖から解放されたせいか、フラフラのAを半ば気遣った為か、小さな頭を下げる少女の姿は少し辿々しかった。
そんな感謝の言葉と共にAが受け取ったものは、一輪のコスモスの花だった。
子供特有の高い体温、しかも随分長い間握り締められていたのか茎の部分が少し萎れている。
『………ありがとう、大事にする』
花を受け取ったAの目は、先程まで半開きだった瞼が大きく見開かれていた。
Aはそれだけ言うと、終ぞ何も返す事はせず、『家入さん、やっぱ私も診て』と逃げるように少女の前から走り去ってしまった。
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そす(プロフ) - ツバメさん» コメント感謝です。最近メンタルがガタガタだったので嬉しいです！ (2021年8月29日 19時) (
レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いです更新頑張って下さい (2021年8月29日 18時) (レス) id: 020ea1b549 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 鼓舞の言葉が胸に染み渡りました。沢山の応援コメントに感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございます。 (2021年8月26日 9時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
- 投稿、読みました。私は作者様のつくる作品が大好きです！！いつまでも更新待ちます、体を壊さないように気をつけてください！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: 4299f9747a (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - こんな神作品に低評価なんて信じられません…。落ち込むとは思いますが、気にしすぎないようにしてください。作者様は神です( ・∀・)ｂ！！ 深夜にすみませんm(__)m (2021年8月26日 0時) (レス) id: 5f499357d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そす
| 作成日時：2021年8月21日 15時
