第11話 覚醒 ページ11
・
＿＿＿わたしが、Aを守るからね。
お姉ちゃんはその言葉通りに、ずっと私を守ってくれてたんだ。だから、あの道を通っちゃいけないって言ったんだ。
理屈も、経緯も、どうでもよかった。
誰かに側で支えて欲しかった。
一緒に居てくれるお姉ちゃんは、私の宝物だ。
なのに私はそれを頭のどこかで当たり前みたいに思って、お姉ちゃんの言う事を蔑ろにしてしまった。
(………お姉ちゃん)
自責の念と後悔が募る中、さすりと頭を撫でられるような感触がした……気がする。
不思議とその感触がした後には、決まって頭の痛みが綺麗に消えてくれるんだ。
泥沼の中を泳いでいるような、混濁した意識の中で、一筋の光が見える。
私は鉛のように重たい瞼を、ほぼ無意識の内に開いた。
『ん…………』
「やぁ、目が覚めたんだね」
聞き慣れない声に反応し、私の意識はどんどん覚醒していく。
走馬灯の中に見た光は、どうやら床に置かれている灯籠のものだったらしい。
抉られた筈の足も、血の抜けた頭も何故かぜんぜん痛くないのだけど、ただただ混乱と胸のざわめきが収まらない。くぐもった声が漏れ出た。
『うーー………ん…？』
「君はちょうど丸一日眠っていたんだよ。ほら、飲むかい？」
長い黒髪をお団子に纏めた男の人の手元を見ると、水の入ったペットボトルを新しく開けていたようで、それを差し出された。
善行と呼べるその仕草にお礼を言いたいけれど、諸事情あって今はそれどころじゃない。
『あ、いえ……』
「そうか。ところで……、今の君は
人当たりのいい笑顔を消して、長髪の男性が私に尋ねる。
……いやいやいや、まずは私の質問に答えてくれ。
『あのーーー……動けないんですが…』
何故だ。本当に何故なんだろう、私がお札の貼られた縄で椅子にぐるぐる巻きにされているのは。
よく見ると部屋の壁にも無数にお札が貼られていて、同じ空間の中には私と長髪男性の他に、えらくコワモテの人と白髪のグラサン青年までいた。
………最悪、まだ夢の中かな？
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そす(プロフ) - ツバメさん» コメント感謝です。最近メンタルがガタガタだったので嬉しいです！ (2021年8月29日 19時) (
レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
ツバメ - 面白いです更新頑張って下さい (2021年8月29日 18時) (レス) id: 020ea1b549 (このIDを非表示/違反報告)
そす(プロフ) - 鼓舞の言葉が胸に染み渡りました。沢山の応援コメントに感謝の気持ちでいっぱいです、ありがとうございます。 (2021年8月26日 9時) (レス) id: 4547e6e600 (このIDを非表示/違反報告)
- 投稿、読みました。私は作者様のつくる作品が大好きです！！いつまでも更新待ちます、体を壊さないように気をつけてください！ (2021年8月26日 0時) (レス) id: 4299f9747a (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - こんな神作品に低評価なんて信じられません…。落ち込むとは思いますが、気にしすぎないようにしてください。作者様は神です( ・∀・)ｂ！！ 深夜にすみませんm(__)m (2021年8月26日 0時) (レス) id: 5f499357d7 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：そす
| 作成日時：2021年8月21日 15時
