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臣は少し間を置いてから頷き、立ち話もなんだからと一旦家に向かった。
その、途中。
「岩ちゃん、こっちじゃないよ?」
「でもさすが恋人。すぐ来ちゃうんだもんなー直人くん」
後ろから聞こえたいつもの明るい声に振り向くと、敬浩さんが。
岩ちゃんを支えながら、こっちに微笑んでいた。
「…っ岩ちゃん!!」
「敬浩さん。なんで岩ちゃん…」
岩ちゃんは目を閉じていて、気を失ってるのか眠っているのかわからない。
いつもの、綺麗な顔の岩ちゃんだった。
それだけでもう俺と臣は驚いていたのに。
「言っとくけど俺じゃないからね?」
「誘ったの、岩ちゃんだから♡」
ー岩ちゃん、すげー可愛かったよ?
なんて、残酷な事を言うんだろう。
岩ちゃんの表情が何もない。
そう思えるのも、無理はなかった。
「…誘わせたのは誰だよ」
声が、いつもより冷たかった。
敬浩さんが横を通り過ぎる時、引き止めたのは臣。
「なんの話?」
「また同じことやってんのかって聞いてんだよ!」
俺を完全に置いていって、臣は敬浩さんに怒鳴り散らす。
昔のこと、なんだろうけど。
「また俺みてぇに、居場所無くして脅したんだろ?なぁ?」
「ほんと、何がしてぇんだよ…っ!」
臣が敬浩さんの胸倉を掴んでいるけど、敬浩さんはいつもの笑顔のまま。
「…へぇ、臣ってそんな顔するんだ?」
「また今度、その顔が歪んだとこ…見たいなぁ」
また今度?
俺みてぇに、ってなに?
居場所無くして脅して、って?
疑問符しか出てこない俺に、敬浩さんが近付いて来た。
しかも、その場に岩ちゃんを置いて。
「岩ちゃん!」
「人の心配より自分の心配したら?」
「…敬浩さん!何で岩ちゃん、」
臣が岩ちゃんを抱えながらも俺を守ろうとしたのと。
俺が敬浩さんに勘違いをしてたのと。
敬浩さんが俺を抱きしめるのは、同時だった。
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春山の小春(プロフ) - reira1227さん» ありがとうございます!また次回作でもよろしくおねがいします。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
reira1227(プロフ) - 雨宮兄弟大好きなので楽しみにしています! (2019年6月23日 17時) (レス) id: c7865bc4a4 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - 麗華さん» 返信出来ず申し訳ありませんでした。なんとかラストまで書き終えることができました。次回作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 24ef585744 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎日めっちゃ楽しみに見てます!ラストまで頑張ってください!! (2019年5月27日 22時) (レス) id: 860c6ebc86 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - シュニーさん» ありがとうございます!ラストシーンまで駆け足で作成中ですので是非最後までよろしくお願いします。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春山の小春 | 作成日時:2017年9月15日 20時