誰も知らない僕らの居場所。3

_3 ページ27

そして、きっと全部わかったら。
それがいつになるのかはまだわからない。

「で、俺も行きたいんだけどいいよね？」
「全然大丈夫ですよ！逆に心強いです！敬浩さんと戦うには！」
「戦うの？！」
「戦います！勝ちますよ〜！」
「ははっ、いいねぇ岩ちゃん。俺も戦う」
「臣？！」

こうやって楽しく騒いでる時でも、臣はさりげなく俺を支えてくれている。
隣で少し触れている肩が、頼っていいよと俺に伝えてくれているようで。

ーもう、これじゃあ頼るしかない。

「じゃあ、俺ハンバーグプレートにしよーっと」
「ライス大盛り！ライス大盛り！」
「岩ちゃんそんな食べるの？」
「食べますよ〜！！全然食べますよ〜！」
「岩ちゃん凄え食うよ。隆二も食うけど」

ーただ、結末はいつも突然。

思いもしなかった瞬間にわかってしまうもの。
ゆっくりと解いていきたい思っていてもそれは甘えでしかない。
抱えきれないものは誰かと一緒に背負えばいいと言うけど、一気に乗せられたらどうだろう。

抱えきれずに、倒れてしまうんじゃないか。
そう思ってしまうのも、癖になってきた。
倒れてしまったら、きっともう俺は1人では立ち上がれない。

支えてくれる人、という響きが心地良い。

「啓司さんの店、もうやってるよね？」
「あ！隆二さんもやっと乗り気になった！」
「もうやってるよ、」

大丈夫。
大丈夫だから、今もこうして一緒にいる。

「行こっか」
「わあ〜い！さっきLINEしたら直人さんも来てくれるみたいです！」
「先行って待っとこっか」

ー今ではもう、親なんかより信用できる人。
ーそして、大好きな人。
ーそしてきっと、何があっても忘れられない人。

だから、結末はまだ知らなくていいや。なんて。
呑気なことを、考えてしまった。

_4→←_3

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す