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2.
「はい、ここ俺の家」
「…お邪魔します」
敬浩さんに教えられたのは少し奥にあるマンションの一室。
中に入ると臣の家とは違って酷く整理整頓されていた。
「ソファー座ってて?俺飲み物持ってくる」
「…はい」
スマホは敬浩さんに会ってから電源を落としていた。
だから真っ暗の画面を見てもなんの意味もないことは分かってる。
「…まだ、臣のこと好き?」
「…多分」
「そっかぁ…じゃあわかった!」
ホットミルクを持ってきた敬浩さんが明るく言って俺の隣に座る。
「ねぇ、しよっか?」
「…何をですか?」
「何って…イイこと?」
ぴん、と人差し指を唇に当てて敬浩さんはウインクした。
可愛らしい女顔の裏に、一瞬だけ野生の狼みたいな笑顔が見えた。
「ってか、臣とは?」
「した?えっちした?」
まるで女子の恋話のような話し方をする敬浩さんだったが、俺にとってその質問は1番触れられたくないところだった。
「あらら…その反応はまだ?」
「…っ」
「もう。だから言ったのに〜」
前に、敬浩さんに言われたことを思い出す。
たしか、俺がまだ浮かれてた頃。
突然俺の家にやってきて言った言葉。
『早く臣に食べられなよ』
『最初だけは臣に譲ってあげる、って言っておいて』
あの言葉の意味が、やっとわかった。
いつかこうなるんだから、早めに臣と思い出作っておいて。
何故、こうなるとわかっていたんだろう。
「なんでわかったか、って顔してるね」
「教えてあげる」
敬浩さんは、俺の耳元に顔を寄せて。
擦り寄ってくる猫みたいに首筋にキスした。
「全部知ってるんだから、好きなように動かせるに決まってるでしょ?」
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春山の小春(プロフ) - reira1227さん» ありがとうございます!また次回作でもよろしくおねがいします。 (2019年6月25日 8時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
reira1227(プロフ) - 雨宮兄弟大好きなので楽しみにしています! (2019年6月23日 17時) (レス) id: c7865bc4a4 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - 麗華さん» 返信出来ず申し訳ありませんでした。なんとかラストまで書き終えることができました。次回作でもどうぞよろしくお願いします! (2019年6月20日 7時) (レス) id: 24ef585744 (このIDを非表示/違反報告)
麗華 - 毎日めっちゃ楽しみに見てます!ラストまで頑張ってください!! (2019年5月27日 22時) (レス) id: 860c6ebc86 (このIDを非表示/違反報告)
春山の小春(プロフ) - シュニーさん» ありがとうございます!ラストシーンまで駆け足で作成中ですので是非最後までよろしくお願いします。 (2019年3月21日 12時) (レス) id: 3714b32197 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:春山の小春 | 作成日時:2017年9月15日 20時