誰も知らない僕らの居場所。

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ーピンポーン…

「…はぁーい…っ臣」
「よ、準備は？」

昨日ぶり、なんて呑気な事を言ったその形のいい唇にしか目線がいかない。
あの唇で、俺にキスしたんだ。
そう思って体を熱くしてしまう。

「お、24karatsのジャージ。俺も好き。今も…色違い？すげー偶然」

「その色もやっぱいいな…黒買おうかな」

「おーい、隆二ー？」

けど、臣はいつもの臣で。
あんなことしておいて、何も無かったみたいに話しかけてくる。

ー臣にとって、俺は何なの？

「隆二、おーい。今市くーん？」
「…臣」

ん？なんていつもみたいに言うなよ。
忘れたなんて言わせない。
無かったことになんて、しないで。
俺にとっては、何より幸せだったから。

「…俺、」
「昨日のことなら」

俺が言おうとしてることを察したのか、臣が遮ってきた。
しかも、昨日のあのことに触れて。

「…俺、謝らないっていったよな？」
「…言った」
「つまり、そーいうこと」

それだけ言って、行くぞって。
俺の手を引いた。
少し赤くなった臣の顔を見た時、どうしていいかわからなくなった。

「だから、夏休みの間俺と一緒にいて」

「俺の事だけ、考えてて」

そんなこと言わないで。
そんなこと言われなくたって、俺はいつでも臣のことしか考えてないから。

「…行こっか」

さりげなく繋がれた手は、少しだけ握ってみた。

「臣」
「…あのさ、」

無言だった臣に話しかけたら、また遮られる。最近のパターン。

「今じゃなくていいから」
「…え」
「…返事？ってやつ…」

最近の臣はこうやって、素直になる。
それがたまらなく嬉しい。
今すぐにでも伝えたい。

ー臣が好き。

そしてまた、歩き出す。
臣のバイクを通り過ぎて。


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次から敬浩さんきます。
キャラ微妙に強いです。

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