誰も知らない僕らの居場所。

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3.

「臣、バイクは？」

来るときは乗って来たであろう臣のバイクは通り過ぎ、さらに歩いていく。
俺が前に無免を指摘したから気にしてくれたのかと思った。

「もう俺怖いなんて思ってないよ、臣なら大丈夫だから…」

「…そーいうことじゃなくて」

今まで背中しか見えてなかったけど、そこで臣は初めて俺を振り返った。
何か言うのかと構えていたけど、臣はただじっと俺を見つめるだけ。

「…えっと…そんな見られても…」
「予定変更。敬浩さんとか危険だし」

急に知らない人の名前を出され、危険とか言われて。
パニックになりかけの頭でとりあえず聞いたのは、出て来た男の名前。

ーやっぱ、気になる…。

「たかひろさん、って？」

「先輩」

ー情報少な…っ！
ー気になっちゃうだろ！

「2個上の変態。女でも男でもイケる人だから隆二会わせたくない」

まさかの両刀使い！
その後写真を見せてもらい、なかなかのイケメンさんだとわかった。

「…でも大丈夫じゃない？俺だよ？可愛いわけでもないし」

俺は何気なく言った言葉。
けど臣にとっては違った。

ー地雷だった、らしい。

「は？」
「えっ」

低い声で言われて思わず立ち止まった。
臣は突然方向を変えて、人気の無い路地裏に俺を連れ込んだ。
そして、思いっきり壁に押し付けられた。

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