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2.
登坂くんの事を意識しないようにしようと努力しても、友達の枠を超えたがる自分が恨めしい。
いつものように屋上で一緒に昼食を取りながらふと横目で登坂くんを盗み見る。

ー相変わらず綺麗な顔してる。
ー羨ましいくらい。

「ん、なんかついてる?」
「ここにマヨついてる」

俺は自分の右頬を指差して、登坂くんに教えた。

ーついてるのはマヨネーズだけじゃなくて整った顔立ちだけどな!

なんていうアホ発言はさておき、やっぱりマヨネーズを指で取って舐める姿もかっこいい訳で。

「登坂くんってさ、彼女いないの?」
「は?」

ーああ!馬鹿俺!
こんな事聞いて何になる。ただ自分が傷付くだけだろう。
登坂くんに彼女がいない訳が無い。

「あのさぁ…俺今までここに彼女連れてきてた事ある?」
「無い、けど…」
「毎日男と2人っきりで飯食ってて、よく彼女居るとか思ったな。つか前彼女できそうに無いって言ったし」

隆二時々抜けてるよな、と少し笑ってまたコンビニのおにぎりを食べる登坂くん。

「そっ、か」
「何、好きな奴でもいんの?」
「…俺クラスで浮いてるの知ってるくせに」

またいつもの雑談に戻ったけど。
登坂くんは気にしてないけど。

2人っきりで…って言った。
恋心は、2人っきりって言葉に弱いんだよ。気軽に使わないでよ。

とかいいつつ、喜んでる俺がいる。
本当に現金だなぁ。

「…隆二」
「何?…って何何何!?!?」

突然、登坂くんが俺の方に近付いてきた。しかもかなり近い。

「頂戴…?」
「はいっ?!」

ーそんな顔で頂戴なんて言わないで!違うものもあげたくなるから!貞操とか!…ごめん登坂くん、君は違ったね。

「な、何を…?」
「それ」

と言って登坂くんが指差したのは、俺の口元。
まさか、本当に…?という期待は。

「玉子焼き」
「食べてるものか…っ!」

あっけなく打ち砕かれる。無念でならない。そして期待した俺は馬鹿で浅はかでした。ごめんなさい。

お弁当の蓋にチーズ入りの玉子焼きをひとつのせて渡すと、なぜか不機嫌になった。

「…隆二、」
「え、チーズ嫌い?」
「そうじゃなくて」

あーん、と口を開けた登坂くん。
ーこうやって、人を無意識に弄ぶ!

「…え?」
「だから、前みたいに食べさせてよ。俺おにぎりだから箸無いの」

はーやーく、と強請る登坂くんは子供みたいで可愛かった。
そのせいでつい、また甘やかすように箸であーんしてあげる。

「ん、うま。やべえハマった」
「それはどうも…」

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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春山さつき(プロフ) - おりうさん» めちゃめちゃかっこいいです。 (2017年6月1日 8時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 春山、格好いいですよね(о´∀`о) (2017年5月31日 22時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2017年5月31日 9時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - この先の展開が楽しみです(^w^)頑張って下さい! (2017年5月30日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 全くもって同意です。共感してもらえると嬉しいです。 (2017年5月29日 17時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年5月15日 11時

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