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第2章_1 ページ10

1.
気まずいクラスにも慣れた、6月中旬。
その頃にはもう屋上で昼食を取るのも当たり前になり、登坂くんとも少しずつ仲良くなっていた。

「登坂くんって兄弟とかいるの?」
「姉ちゃんいる」

「登坂くんって好きなアーティストいないの?」
「特にいない」

「登坂くんの好きな食べ物何?」
「オムライス」

ただ、質問したりするのは俺ばっかりで、知りたい事も俺ばっかりある。
ただたまに登坂くんから質問が来ると、とてつもなく嬉しい。
例えば。

「隆二ってさ、クラスで浮いてねぇ?」
「あ、うん。浮きまくってる!」
「そんな元気に言う事でもねーよ」

「隆二好きなタイプは?」
「特に制限ない!」
「せめて性別は選べよ」

「隆二、枕貸して…ってサボりじゃねーから持ってねぇよな」
「膝で良ければ!」
「何が悲しくて男に膝枕…」

しかも鍛えてんだろ、と笑う登坂くんは夏服になっていた。
そんな時期かと思いながら俺も腕捲りをしている事に気付いて、ふとした時に近付く夏を感じている。

「隆二」
「何?」

「俺彼女出来そうにねーわ」

そして、ふとした時に聞ける恋愛事情に一喜一憂するようになった。

「そっかぁ。何かあったの?」
「いや何も」
「じゃあまだわかんないよ」

友達、と言っていいんだろうか。
少なくとも俺は、勘違いじゃなく登坂くんの事が好き、なんだと思う。
一緒にいてくれたからじゃなく、居心地のいい相手として。

「隆二ってさ、若干喋り方中性的だよな」
「え、嘘!オネエ違う!」
「そうじゃなくて」

こうやってたまに出る笑顔がたまらなく好き。

「何と無くだけど」
「うん」
「心地いいって思う」

そしてこうやって、同じ事思ってることがわかると尚更嬉しい。

ー俺も、登坂くんと一緒にいると心地いいよ。

本人に直接言えたら、苦労しないのに。
男相手なのが、おかしいって思ってる俺がいる。

好きなタイプなんて、無いよ。
今は登坂くんだよ。
そんなこと言えずに、少しずつ友達として距離を縮めて行く。

女子が相手なら、もっと積極的になれたかな。
ーなんて、恋愛経験の無い俺が言っていいことじゃないんだけれど。

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設定タグ:三代目JSoulBrothers , 臣隆 , BL   
作品ジャンル:恋愛
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春山さつき(プロフ) - おりうさん» めちゃめちゃかっこいいです。 (2017年6月1日 8時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - 春山、格好いいですよね(о´∀`о) (2017年5月31日 22時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» ありがとうございます。頑張ります。 (2017年5月31日 9時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)
おりう - この先の展開が楽しみです(^w^)頑張って下さい! (2017年5月30日 21時) (レス) id: 2d09c476d9 (このIDを非表示/違反報告)
春山さつき(プロフ) - おりうさん» 全くもって同意です。共感してもらえると嬉しいです。 (2017年5月29日 17時) (レス) id: a63d899ffa (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:春山さつき | 作成日時:2017年5月15日 11時

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