フロムヘル ページ17
扉の向こう側は、物は多いが想像していたよりは綺麗な部屋だった。
玄関に丁寧に履き揃えられた小さな靴と乱雑に脱ぎ捨てられた革靴を一瞥して、うす汚れた足でずかずかと家の中へと進んでいく。広い家ではない。入ってすぐの部屋と、あと一つ、奥に目的の部屋があるだけだ。
そうして薄い襖を開けてやれば。そこには変わらぬ彼女の匂いと、彼女にこびり付いていた呪力の残穢、それから───Aであった人間の肉片が散らばっていた。
──────────
血。血。血。
見渡せばどこもかしこも血で汚れていて、強い鉄の匂いがする。あの小さな子ども一体にここまで血と臓物が詰まっていたのかと驚いた。
彼女だったものが散らばる畳の表面は、乾いた血のせいで黒く変色してしまっている。この状態になってから、どれくらいの時間が過ぎたのか。今は大小様々な形になって四方に転がってしまっている彼女の瞳を見つけて思案する。
Aを殺したのは、十中八九Aに取り憑いていたヤツだろう。とっとと探してぶっ殺しておけばよかった。もう今はいつもと同じ残穢しか残っていないのだから、逃げ足の早いことだ。自分の玩具を横取りされたような心地で、あまりいい気分ではない。
「……あーあー。あーあーアーァ」
訂正しよう、最悪の気分だ。新鮮な生まれて初めての感覚だ、二度と味わいたくはない。まだこの子どもの謎は多い。知りたいことがたくさんあったのだ。試したいことだって、それに、なにより、
「俺のダーリンなら死んでも側にいろよ」
人間の男女は愛を誓いあった者どうしは永遠に一緒にいるものだ。
足もとに転がっていた肉片を掴み取り、掌の上の今尚温かみをもった"それ"に呪いを込めた。
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まめ(プロフ) - marymarimomaryさん» めちゃくちゃお恥ずかしいです…別で保存してる分は修正したのでこっちも修正した気になってましたとても恥ずかしいです報告と応援ありがとうございます (2019年10月7日 7時) (レス) id: 3642bc1b71 (このIDを非表示/違反報告)
marymarimomary(プロフ) - 写真家はレイピアではなくサーベルです。更新がんばってください (2019年10月6日 19時) (レス) id: c23eaa7cd9 (このIDを非表示/違反報告)
シナ(プロフ) - 夕美さん» すみません、忘れてました。ご指摘ありがとうございます。 (2019年1月22日 21時) (レス) id: 43e26c0f2f (このIDを非表示/違反報告)
夕美 - オリジナルフラグちゃんと外して下さい、違反です。ルールくらい確認しましょう。 (2019年1月22日 21時) (レス) id: 42f7d9fc87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:まめ | 作成日時:2019年1月22日 21時