大蛇と妖魔【妖怪ウォッチ】 (ページ3)

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後は野となれ山となれページ3

「…命あっての…物種…」

どんなことでも生きているからこそできる。
死んでしまえば何にもならない。
危ないことはやめなさい。命を大切にしなさい。という教え。

人間の考え方も随分変わったのね、と心の中で呟く。

それにしても、何なのだろうか。この書物の宝庫は。

試しに手にとったこの書物も、読んでいればじわじわとハマってしまいそうになるほど、面白くて興味深い。

外にはあんなに人がいたのに、中はかなり静かで、これもまたいい。
書物の少し古臭いような紙の匂いで、苦手なガスの臭いも紛れる。

一枚、一枚とまたページをめくる。

　負んぶすれば抱っこ

一つ何かをしてあげるといい気になって甘えることのたとえ。

　勝つも負けるも時の運

勝ち負けはその時の運によるもので、実力だけで決まるものではないということ。

(______まあこれは言えてるわね。)

似たような考え方の人間もいるのだな。
そう思いながら左ページへと視線を向けた。

ふと、ある言葉に手が止まる。

一瞬、ほんの一瞬だが、後悔してしまった。

　三つ子の魂百まで

幼いときの性質は年をとっても変わらないということ。

見てしまったことに、後悔してしまった。

___ああ、そっか、私、いつまで経っても変われないんだ。

すっかり諦め切っていたのにまだ悔いはあったらしい。
ぶわっとこみ上げてくる失望感。絶望感。

どちらでもない、この感じ。

邪を呼ぶ神として生まれたならば、死ぬまで邪を呼ぶ神として生きていかないと駄目らしい。

生まれつき、というものはどうもこうして理不尽なのだろうか。