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7-3 ページ25

親父さんは有名なとこの社長らしく、庭はめっちゃ広かった。なんか池とかもあったし。
中央にある椅子に座るよう案内された俺は素直に従う。こんなとこでマイナスイメージ与えてもしゃーないしな。
「さて、君を呼び出した理由だ。実は先日この子の縁談が決まった。いやぁ一時はどうなるかと思ったが結婚してくれるという優しい御方がいてな。」

べらべらとAの愚痴やらなんやらを話していくじじいに腹が立つ。せやけど我慢や。
「それでだな、君には今後この子に近寄らないでいただきたい。」
sha「は?」

思わず声が出てしまった。どこからその話に繋がんねん、アホなんか?このじじい。
「聞くところによると、幼い頃からこの子を守ってくれていたみたいじゃないか。それに関しては感謝しているよ。しかし悪影響も受けているようだ。反抗なんてする子じゃ無かったのに、縁談には反対してきてなぁ」

当たり前やろ…自分の好きな奴と結婚したいってのが普通の女ちゃうんか?
ふつふつと怒りが溜まっていく。
「会わなければそんなことも無くなると思ってな。まぁ、君もいい歳だろう?誰かいい人はいないのかね。」
sha「…」

ダメやこいつ。天性のクソ野郎やんけ。
sha「黙って聞いてりゃべらべらと止まらんお口やなぁ?結婚してくれる優しい御方?こいつは学校じゃ引く手数多だったわ!そんなことも知らんで良く親父面出来たな!」
「なっ、」
sha「縁談のこともそうや。反抗しなかったんやなくて、出来なかったってなんで考えへんねん!あぁ、そうか。あんたお子ちゃまみたいに自分の事しか考えられへん奴やったな。俺が悪かったですすまんだら。」

溢れ出した言葉達は止まることを知らない。
テーブルに飛び乗り距離を縮めた。ガチャガチャと紅茶のカップが鳴るが気にする余裕なんてなくて。
sha「それになぁ…」
顔を真っ赤にしたクソ野郎の顎を掴みながら続ける。
sha「俺は今も昔も!過去に縋り付くくらいAの事が好きなんや!!良い奴なんかおるかい!!」

決別した筈の気持ち、捨てたはずなのにいつまで居座り続けるんやまじで。

その瞬間、視界が歪み出す。そーだった、気持ち言ったらあかんやん。
俺がガバってもうた…はっず。
気づいた瞬間萎み出す怒りを感じて言葉を絞り出した。
sha「もう会えんかもしれんけど、またな。」

涙ぐむAに一方的な別れを告げ、現代に戻る。きっと聞こえてもいないだろう。
そうして俺の一世一代の勝負は幕を閉じた。

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紗音(プロフ) - 椿さん» 泣かないでください!?読んで下さってありがとうございます! (2020年8月17日 23時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
椿 - ね"ぇ、い"ま"か"ら"な"く"よ"((号泣 (2020年8月17日 22時) (レス) id: 37e6844d54 (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - 桜花さん» お待たせしました…!ありがとうございます〜!!頑張って次早めに出しますね!! (2020年6月1日 18時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)
桜花(プロフ) - 紗音さん» 完結おめでとうございます〜!!めっちゃかっこよかった...!!最高でした!!次作も楽しみに待ってますね!! (2020年6月1日 16時) (レス) id: 5ecfd5bd4f (このIDを非表示/違反報告)
紗音(プロフ) - 林檎さん» ありがとうございます…!早めに次出せるように頑張りますね!! (2020年6月1日 10時) (レス) id: 49310bd778 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:紗音 | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2020年1月2日 21時

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