鱗を見たくて ページ3
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「かしこまりました。少々お待ちください」
放課後、“孤高のマーメイド”ことAは、オクタヴィネル寮内でアズールが展開している『モストロラウンジ』でアルバイトをしていた。
彼女がシフトに入っている日は、決まって店は大繁盛。
客の目当ては勿論、“孤高のマーメイド”を客という立場を使って堂々と拝むことだ。
「あの、すいません。セイレーンさん！」
「はぁい。あ、ご注文ですか？」
「いや、その。一緒に写真撮ってくれませんか！」
スタッフが慌ただしく店内を駆け回る中、今がチャンスだとばかりに一人の客がAに声をかけた。
「写真？ 私と？」
「はい！ ダメですかね？」
「いいよ。じゃあ隣に座ろうかな」
一緒に写真を撮るためにAが客の隣に腰掛けようとしたところで、テーブル席にダン！！ と何かが強く叩きつけられた。
しゅわしゅわと炭酸が弾けるクリームソーダは、先程の衝撃でかなりの量がテーブルに零れてしまっている。
「お客様。申し訳ありませんが彼女は仕事が詰まっていまして」
「ジェイド。写真撮る時間くらいならあるよ」
「それでは失礼させていただきます」
「ジェイドっ」
聞く耳持たずとはこのことだ。
ジェイドはAの手首を掴み、そのままグイグイとキッチンまで引っ張っていく。
ジェイドの異なる双眸に睨みつけられた客はサバナクロー寮生だったらしく、だらしなく耳としっぽを垂らして縮こまってしまった。
「ジェイド、痛い！ 痛いよ、離して！」
キッチンを通り抜けてバックヤードまで細い手首を引っ張っていき、周りの音が小さくなった頃にようやくAは解放された。
「ジェイド！ ダメだよ抜けてきちゃ。早く戻らないと店が・・・」
「A」
ジェイドは優しく、ポンと華奢な肩を押しやった。
「わ」
壁とジェイドとに挟まれたAは、何十センチも上の彼の顔を見上げ、困ったように笑う。
白い手袋を被った細長い指が、つぅ、と細い喉をなぞる。
「忘れてはいけませんよ。あなたは僕たちのものです。他の誰にも、触れられないように・・・」
なぞられた喉が、こくりと唾を飲み込んだ。
ここで首を振ったらまずいと判断したAは、「うん」と小さな声で返した。
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蒼空(プロフ) - あ、バレました？？ww (2020年10月5日 0時) (
レス) id: babd69b29c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - 蒼空さん» ありがとうござ・・・ん？ あなた、もしやここに来るのは二度目ですな・・・！ (2020年10月2日 21時) (レス) id: 46b7785a4c (このIDを非表示/違反報告)
ユナ(プロフ) - うるさん» 大変嬉しいお言葉ありがとうございます。最近ちょっと更新停滞気味だったのですが、お陰様で頑張れそうです。 (2020年10月2日 21時) (レス) id: 46b7785a4c (このIDを非表示/違反報告)
蒼空(プロフ) - あ…しゅきぃ…(語彙力皆無) (2020年10月2日 20時) (レス) id: babd69b29c (このIDを非表示/違反報告)
うる - この作品がすごく好きです。これからも楽しみにしています。 (2020年10月2日 8時) (レス) id: 73336d6f0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユナ | 作成日時：2020年9月15日 18時
