【◇】ないものねだりな俺らの恋２

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金丸


「えー…大丈夫なの？」


Aが答える前に次々と質問を繰り返していく女。

こいつが何て答えるのかなんて気にならねえが、言われっぱなしなのが頭にくる。


「全然大丈夫だよ、それより自分の勉強もあるのに教えてもらっちゃって申し訳なくてさ。」


へー便乗して一緒に文句の一つでも言うかと思ってたんだけどな、拍子抜けだ。


「Aってばいい子すぎ！いいじゃん、折角なんだから教えてもらいなよ！」

「難しくて頭爆発しそうなんだけどね。」

「教え方めっちゃ怖そうだよね！金丸って人。」

「まあ…確かにスパルタかな。」


おっやっと出てきたな不満が。

自販機に行く事をすっかり忘れ、二人から見えない所で会話を盗み聞きしていた。


「あたしは東条君にでも今度勉強教えてもらおうかな！教え方も上手で優しそうだし。」

「金丸君も意外と教え方上手だよ！」


意外とって何だよ！意外とって！


「ふーん。まあ頑張ってよ！じゃあね！」

「うん、またね！」


会話が終わり、自分がジュースを買いに来たのを忘れている事にようやく気がついた。

呑気に部屋へと戻っていくA。


…あいつの分のジュース買ってくのやめようかな。


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