【◇】ないものねだりな俺らの恋２

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「もうじき昼休みも終わるし戻ろうか。」


意外と勉強に集中できて、東条君の言葉で時計を確認すると確かにもう昼休みが終わってしまいそうだった。


「そうだね、そろそろ出よっか。」

「東条君教え方上手だからすごい助かったー！」

「青柳さんの飲み込みが早いんだよ。」


そんな二人のやり取りを横で聞きながら教室まで歩いていると、会話の途中で東条君と目が合った。



「Aの苦手な科目は？」


突然私に話題を振ってきたから驚きはしたものの、素直に数学だと答える。


「俺、数学得意だよ。よかったら教えようか？」

「あっでも「昨日金丸君から教わったんだよね？」


返事をする前に莉子に返されてしまった。

東条君の表情がどんどん曇っていくのが目に見えて分かって焦ってしまう。


ど、どうしよう。

前にも金丸君絡みのことで東条君を多分怒らせてしまったのに、今回もまた…


「あの…沢村君も一緒だったし！それにクリス先輩が直々に金丸君にお願いしてくれたんだよ！」


悪い事をした訳でもないのに、どうしてこんなに説明口調になってしまうんだろうか。


それはやっぱり、東条君からしたら自分の親友と仲良くされるのは嫌だからなんだと再度察して。

みんなから親しまれてる東条君だけど、やっぱり金丸君の存在ってそれほど大きいんだろうな。


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