十八 ページ18
ルナside
私は天界という世界の第4王女。普通の人達と比べて贅沢な暮らしが出来ているのは分かってる。でも、私はこの生活に息苦しさを感じている。
普通の人達のように自由に人と関わることが出来ない。自由に外で遊ぶことが出来ない。ただ毎日のように王女としての仕事をして、皆に作り物の笑顔でを振り撒いて。
こんな生活ならごく普通の家にごく普通の少女として生まれたかった。
アレキ「失礼します。お部屋のお掃除に参りました。」
一人部屋で仕事を進めていると始めてみる使用人が入ってきた。紙の色は私とは対照的に黒色で、女性のように肩まで髪が伸びていた。
どうやら話に聞いていた新人さんらしい。
ルナ「どうぞ。」
その使用人はすぐに掃除を始める。でも、いつもの人に比べて掃除をするのに時間がかかっていて、物音も多い。
ルナ「貴方、仕事にあまり慣れてないんですね。」
おまりにも気になって思わず言ってしまった。
アレキ「すみません。今日からこの仕事を始めたので･･･」
そんなこと音や様子ですぐに分かった。でも、あまりに申し訳なさそうに言うので叱る気にも慣れなかった。
ルナ「貴方、名前は？」
アレキ「アレキ・ロヴェッタです。」
見かけによらず騎士のような強そうな名前をしている。
ルナ「アレキ、もう掃除はいいから。」
アレキ「分かりました。」
アレキは掃除道具を持って出ていこうとしたが、ドアの前で足を止めた。
ルナ「どうしたの？」
アレキ「失礼を承知で申し上げますが、ルナ王女は何か悩んでいるのですか？」
思ってもいなかった言葉を言われ驚いた。
確かに私は自分が王女として生まれてきたことに最近は不満を持ち悩むようになっていた。
でも、何故そんなことが今日来たばかりのアレキに分かるのだろうか。
ルナ「なぜそんなことを？」
アレキ「ルナ王女がいつも皆様の前に出られる時は幸せそうに微笑んでいるんです。でも今日のルナ王女はなんだか悩んでるような、悲しい顔をしているんです。」
私ここではそんな顔をしていたのかな･･･でもそれを教えてくれたのはアレキが初めてだ。
ルナ「なるほどね。でも私はこの国の王女だし悩みを何個持っててもおかしくないでしょ。」
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作者名：月 | 作成日時：2019年12月20日 14時
